ジェンダー平等、目標達成遠く 静岡市審議会、4次計画策定へ答申

 静岡市男女共同参画審議会(会長・坂巻静佳県立大准教授)は21日、第4次市男女共同参画行動計画(2023~30年度)の基本的な考え方について田辺信宏市長に答申した。30年度に目指す姿として「ジェンダー平等に基づき、すべての市民が安心して自分らしく暮らせるまち」を掲げ、ジェンダー教育の充実やDV(家庭内暴力)の根絶など四つの重点目標を設定した。

答申書を手渡す坂巻静佳会長(中央)ら=静岡市役所静岡庁舎
答申書を手渡す坂巻静佳会長(中央)ら=静岡市役所静岡庁舎

 現行の第3次計画(15~22年度)は未達の目標が多かったことを踏まえ、第4次計画では教育の充実▽ジェンダーに基づく暴力の根絶▽地域での男女共同参画の実現▽男女共同参画の視点に立ったワーク・ライフ・バランスの実現―を重点目標に据えた。
 行動計画は市のDV防止基本計画と女性活躍推進計画を包含し、三つの計画を一体的に進めていく。具体的には幼少期からの教育やDV被害者支援、DV加害者の更正支援の充実、企業団体への意識改革の推進などに取り組むべきとした。
 市役所静岡庁舎で田辺市長に答申書を手渡した坂巻会長は「市の男女共同参画は十分な水準に達したとは言い難い。答申が計画に反映され、ジェンダー平等が一層進むことに期待する」と話した。
 市は答申を基に計画の素案を作り、年末ごろにもパブリックコメント(市民意見募集)を実施する方針。

「男女共同参画」目標値には遠く及ばず

 男女共同参画やジェンダー平等の実現を目指し、静岡市が策定している男女共同参画行動計画。現行の第3次計画(2015~22年度)の評価は、策定当初の目標値に遠く及ばない結果となった。
 計画の成果は市の男女共同参画に関する市民意識調査の結果などを基に評価している。第4次計画策定に向けた答申書の中で示した第3次計画の成果指標10項目のうち、8項目が未達成だった。
 「社会通念・慣習・しきたりにおいて、女性より男性が優遇されていると感じる割合」は14年度が67・7%だったのに対し、21年度は75・8%(目標値60%以下)と悪化。「中学校での男女共同参画啓発活動の実施割合」は13年度が32・0%で、21年度は33・4%(同60%以上)と、微増にとどまった。
 このほか、女性管理職の割合や「職場において女性より男性が優遇されていると感じる割合」なども、改善してはいるものの、目標値には及ばなかった。

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