東部観光 外国人が発信 留学生ら名所巡り拡散 コロナ後見据え海外にPR
静岡県東部・伊豆の経済団体や観光協会などで構成し、観光客や大規模イベント誘致を手がける県東部地域コンベンションビューロー(CB)(会長・紅野正裕沼津商工会議所会頭)が9月から、海外への情報発信を強化している。在日外国人に東部・伊豆の名所や観光地を巡ってもらい、外国人から感じた各地の良さや、好まれる演出と巡回コースの把握に着手した。コロナ禍で打撃を受けた観光業再生へ外国人目線の展開を加速させる。
東部・伊豆の名所と観光地巡りにはアジアからの留学生ら20代の8人が2班に分かれて臨む。最初は中国とベトナムの男女4人が14~16日、富士山周辺や沼津、伊豆、熱海などを訪れた。
15日には沼津港を訪問。4人は平日にもかかわらず盛況な各店に驚き、カメラやスマートフォンで撮影した。参加者の1人は14日に出向いた富士サファリパーク(裾野市)について「餌やりなど体験型の動物園は母国にあまりない。印象的だった」と知人らにSNSで拡散。「各地の歴史や文化といった背景も伝えると効果的」などと意見を出し合い、互いの写真を確認した。
コンベンションビューローによると、専門的ではなくより素人目線の素朴な意見や発想をとらえ、発信する考え。坂本日出夫専門監は「観光業は東部・伊豆にとって生命線。シンプルな内容で伝え、多くの外国人を迎えたい」と話す。
(東部総局・高橋和之)
■誘致後のフォロー必要 富士山浪漫之旅の朱珠さん
今回の取り組みには外国人向けツアー企画などを手がける一般社団法人「富士山浪漫之旅」(沼津市)の朱珠・代表理事も参加。外国人旅行客を招く鍵を「誘致して終わりではなく、その後のフォローが必要」と語る。
外国人が目にして最も喜ぶのは「富士山」。中国でも人気と知名度は高いという。「富士山にプラスアルファの要素も欠かせない」と、温泉や夕日をコラボした企画も好例とした。