元園長、女児に声掛けせず バス降車の機会失う? 牧之原・園児置き去り事件

 牧之原市静波の認定こども園「川崎幼稚園」の女児(3)が送迎バス内に置き去りにされて死亡した事件で、当日にバスに乗るはずだった運転手が普段、女児に降車を促す声掛けをしていたことが16日、関係者への取材で分かった。臨時で運転した理事長兼園長(73)=8日付で辞任=はこの声掛けをしておらず、女児は降車のタイミングを失ってしまった可能性がある。
 関係者によると、同園はバス運転手と送迎を補助する乗務員の組み合わせを曜日ごとに決めていたが、事件当日の5日は本来の運転手が休みとなり元園長が代行した。乗務員の女性派遣職員は3年間ほど業務に携わり、普段と同様に低年齢児の降車を手助けし、他の園児たちに自分で降りてくるよう伝えたという。普段はこの後、遅い順番で降りる女児に改めて運転手が声を掛けることにしていたとみられる。
 女児は両親から「バスの中では会話を控え、最後に降りること」と教えられていたといい、この日も声掛けを待っていた可能性がある。ところが声掛けや降り忘れの確認をされることなく、バスを施錠されてしまったとみられる。園とバスを止める駐車場は歩行距離で200メートル以上離れていて、乗務員が再度バス内を点検する決まりはなかったという。
 女児は約5時間後、バスの中で倒れているところを帰りのバスの運転手に発見された。死因は熱射病だった。県警は同園の安全管理に問題があったとみて、業務上過失致死の疑いで捜査している。

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