ウクライナの苦悩知って 静岡のミニシアター、関連作品上映 「埋もれてしまう声を発信」 

 ロシアのウクライナ侵攻開始から半年を経ても収束が見えない中、静岡市葵区のミニシアター「静岡シネ・ギャラリー」が、ウクライナ関連の映画を積極的に上映している。「過去のウクライナを知ることで現状への理解を深めてもらえれば」―。19日にはウクライナ人避難者を支援するチャリティー上映会も開く。

ウクライナが舞台の映画を紹介する川口澄生副支配人=12日、静岡市葵区の静岡シネ・ギャラリー
ウクライナが舞台の映画を紹介する川口澄生副支配人=12日、静岡市葵区の静岡シネ・ギャラリー

 7月はウクライナ映画2本を上映した。作品の一つ「リフレクション」は、14年のクリミア併合でロシア軍の捕虜となったウクライナ人医師が捕虜交換で解放され、家族と再会するまでの物語が描かれている。
 2月に始まったウクライナ侵攻の前日譚(たん)とも言える内容で「ニュースなどで大きく報じられる前にも、苦しむ市民がいたことが分かる」と川口澄生副支配人は語る。
 ロシアの侵攻に伴い、都内のみで上映や配信が予定されていたウクライナ関連映画を「地方でも上映しよう」との動きが活発化。同館もこの動きに賛同した。興行的なヒットは望めないが「今こそ見てほしい映画」として上映を決めた。
 9月はドキュメンタリー2本を上映する。23日から上映する「ピアノ ウクライナの尊厳を守る闘い」の先行チャリティー上映会を19日に開き、収益金は県内のウクライナ人避難者の支援活動費として活用する。川口副支配人は「埋もれてしまう声を拾うような映画を上映していきたい」と話す。
 (社会部・沢口翔斗)

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