テーマ : お酒・ビール

伊豆の国のミニトマト原料 酸味と情熱のビール 東京・羽田で醸造中

 伊豆の国市のニューファーマー(新規就農者)が生産する「伊豆ニューミニトマト」を原料にしたクラフトビールの醸造が、東京都大田区の羽田空港近くで始まった。多くの人が行き交うエリアで需要拡大を目指す新たな挑戦。生産者は「伊豆の国のミニトマトの知名度を高め、ブランド化を図る好機にしたい」と期待を込める。

仕込み式でビールの完成を期待する関係者=9日、東京都大田区
仕込み式でビールの完成を期待する関係者=9日、東京都大田区
伊豆ニューミニトマト
伊豆ニューミニトマト
仕込み式でビールの完成を期待する関係者=9日、東京都大田区
伊豆ニューミニトマト


 空港隣接地にある醸造所併設のビアレストラン「羽田スカイブルーイング」で9日行われた仕込み式。生産者の井上俊夫さん(65)=JAふじ伊豆「伊豆の国果菜委員会」委員長=や伊豆の国市の山下正行市長が足を運んだ。レストラン運営会社社長の大屋幸子さん(44)らと鍋に麦芽を投入し、10月下旬の完成を楽しみにした。
 きっかけになったのは、全国の信用金庫ネットワークによる地域活性化プロジェクトだった。「ミニトマトの新たな販路を開拓したい」(井上さん)、「コロナ後のインバウンドが戻るまでに地方と連携した仕掛けを打ちたい」(大屋さん)と求めていた両者を、三島信金や城南信金(品川区)が結んだ。
 伊豆の国市内では、56人の新規就農者がミニトマトを生産している。厳格な品質管理と出荷基準による美しい外観や糖度の高さ、安全性を売りにするが、井上さんは「まだまだ十分に認知されていない」と課題を挙げる。今回の取り組みが軌道に乗れば「新しい未来が開けるのでは」との思いは強い。規格外品を活用してもらうため、フードロス削減につながるとも見込む。
 醸造所では1~2週間後にミニトマトを入れ、酸味やさわやかさを強調したビールに仕上げる。8月に同市を訪ねた大屋さんは「皆さんがやりがい、こだわりを持って生産に励んでいると感じた」。ミニトマト作りに懸ける地元の情熱も受け止め、醸造を成功させたいと意気込んでいる。
 (東京支社・関本豪)

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