高血圧の傾向は 脳卒中リスクは 賀茂400人健康調査 静岡社会健康医学大学院大、対象地域拡大へ

 静岡社会健康医学大学院大(静岡市葵区)はこのほど、賀茂地域の住民約400人を対象に実施した健康調査で、他地域に比べて高血圧の傾向があり、脳卒中の発症リスクが高いとの結果を公表した。今後も追跡調査を実施し、食生活など疾病のリスク要因解明につなげる。

健康調査の結果を公表する田原康玄研究科長(右から2人目)=県庁
健康調査の結果を公表する田原康玄研究科長(右から2人目)=県庁
「かもけん!体操」の一場面
「かもけん!体操」の一場面
健康調査の結果を公表する田原康玄研究科長(右から2人目)=県庁
「かもけん!体操」の一場面

 特定集団の健康状態の変化を長期間調べるコホート研究の一環。下田市と松崎町、河津町で昨年12月から今年1月にかけて健診を実施した。
 滋賀県長浜市民1万人を対象にしたコホート研究から、年齢や体格が一致する人を抽出して比較したところ、賀茂地域の方が血圧が高く、脳卒中を発症するリスクが男性で1・20倍、女性で1・15倍に上ることが判明した。食塩摂取量の多さなどが影響している可能性があるという。
 コホート研究は今後、県内複数地域で実施し、対象者を2万人規模まで拡大する計画。県庁で記者会見した同大学院大の田原康玄研究科長(疫学・遺伝医学)は「県内でどのような健康格差があるかを把握し、県民の健康づくりに寄与したい」と話した。
 今回の調査で65歳以上の約3割に転倒につながるバランス機能の低下が認められたとして、筋力アップなどを目的とした「かもけん!体操」のDVDも作成した。準備体操とトレーニングの2部構成で、常葉大健康科学部の栗田泰成、加藤倫卓両准教授が監修した。ユーチューブでも公開する。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ