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静岡県はいったい何地方? 東海/中部/広域関東圏… 区分いろいろ【NEXT特捜隊】

 日本のほぼ中央部に位置する静岡県。東海、中部、広域関東圏…。行政、文化、スポーツなどの地方区分で、いくつかのグループに分類されている。同じ「東海」という区分でも、含まれていたり、いなかったり。ある時は東海、またある時は関東。静岡県はいったい何地方なのか。そもそも、なぜ複数の区分があるのだろうか。これまでに複数のN特通信員(静岡新聞社「NEXT特捜隊」のLINE友だち)から寄せられていた謎。関係機関に取材し、解明を試みた。

東海



 定番は、静岡・愛知・三重・岐阜の4県をまとめた「東海地方」という区分。高校野球をはじめ、さまざまな分野で用いられている。東海地方という区分の歴史は古い。 大化の改新後の行政区分「五畿七道(ごきしちどう)」が由来で、地方の一区分であった「東海道」は茨城県から三重県にわたる太平洋側の一帯を示していた。 これが後の日本の行政区分の基になり、地方の名前と道路の名前の両方として浸透したとされている。

 一方、「東海3県」と限って静岡県を入れない分け方も存在する。例えば、農林水産省の東海農政局は、愛知、岐阜、三重の3県がエリアで静岡県は管轄外だ。 この3県の頭文字をとって「愛三岐(あいさんぎ)」という呼び名も定着している。ちなみに、静岡県は関東農政局の管轄になっている。

静岡県が「東海」と区分される例
高校野球東海大会/衆議院比例東海ブロック/東海財務局…

中部



 「中部地方」という区分もおなじみだ。これは、全国を北海道、東北、関東、中部、近畿、中国四国、九州に分ける「7地方区分」の呼び方(中国と四国を分けて8地方区分とする例もある)。 文部科学省によると、地方区分に決まった定義はないものの、小学校の教科書では7地方区分が一般的という。

 静岡県内の多くの小学校で教科書が使われている東京書籍でも、47都道府県の名前と位置を学ぶ小学4年生の社会科の教科書で7地方区分を掲載。 新潟・富山・石川・福井・山梨・長野・岐阜・静岡・愛知の9県を中部地方としている。同社広報チームによると、中学校の「学習指導要領解説社会編」に同区分が採用されていて、小中の連携を踏まえた対応だという。

 日本大百科全書によると、中部地方は1904年(明治37年)に日本で地理の国定教科書がつくられた頃から使われた地方名。それまでは「東海道」などの区分が用いられてきたが「地理教育上の便宜から使用された性格が強い」(同書)と記されている。

 古くから五畿七道(東海道)という区分があったのに、別の区分を作った理由とは。 東京成徳大学の寺本潔特任教授(65)=地理教育学=は「交通網の発達をはじめ、文化や自然環境など総合的な観点から、従来の区分が社会の実情と合わなくなっていたから」と説明する。 歴史や地誌学の教授陣らが、時代に合った新たな区分として考案したとされているという。「中部という名前は、関東と関西の中央部分にある北陸・中央高地・東海の総称としてつけられた名前と言われている」とのことだ。


静岡県が「中部」と区分される例
中部圏知事会/中部横断道/中部運輸局…


関東



 静岡県が関東に含まれるケースも少なくない。例えば、広域関東圏(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野、静岡)の考え方があり、静岡県は経済産業省の関東経済産業局のエリアに属している。 同局によると「理由は定かではない」。諸説あるが、静岡県の一部が東京電力管内に含まれることなどが影響した可能性があるとみられている。


静岡県が「関東」と区分される例
関東経済産業局/関東管区警察局/南関東防衛局


 日本の地域区分は一つに決められたものではなく、場面ごとに使い分けられていること、それぞれに背景があることが取材から分かった。日本のほぼ中央部にあり、場面ごとに異なる地域区分が用いられ、複数の区分に入る静岡県。いろいろなグループと行動をともにすることができるわけで、捉えようによっては静岡県ならではのメリット、優位性と言えるのかもしれない。

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