リニア全体進捗、確認を 静岡県知事、期成同盟会に文書

 川勝平太知事は9日、相模原市のリニア中央新幹線工事現場の視察について報告文書を取りまとめ、リニア建設促進期成同盟会の加盟都府県に送付した。視察で重大な工事の遅れが確認されたとし、同盟会の会長である大村秀章愛知県知事に各都府県の工事の進捗(しんちょく)状況を再確認するよう求めた。
 川勝知事はリニア関東車両基地(同市緑区)の整備予定地について「数多くの人家があり、明らかに用地買収は滞っている」と指摘し、品川―名古屋間の2027年リニア開業のスケジュールに影響を及ぼすとの認識を示した。その上で、リニアの整備促進には「各地の工事の実態に即したタイムスケジュールを共有することが重要」と強調した。
 JR東海の金子慎社長は8日の定例記者会見で、同基地用地は5割程度取得済みで、取得箇所から工事を進めることで予定通り27年までの整備を目指す考えを示し、川勝知事の見解を否定した。

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