牧之原の園児死亡事故 ずさんな出欠管理 アプリ利用も把握至らず

 3歳の園児が送迎バス内に置き去りになり、死亡する事件が起きた牧之原市静波の認定こども園「川崎幼稚園」。6日までの関係者や保護者らへの取材で、通園管理体制のずさんさが浮かび上がっている。同園はスマートフォンアプリを使った登降園管理システムを採用していたが、関係者によると送迎バス利用者の打刻はまとめて行われ、亡くなった女児(3)の出欠確認に至らなかった。

川崎幼稚園で利用されている通園管理アプリ=6日午後、牧之原市内
川崎幼稚園で利用されている通園管理アプリ=6日午後、牧之原市内
川崎幼稚園の家宅捜索を終え、押収物を運び出す県警捜査員=6日午後3時45分ごろ、牧之原市静波
川崎幼稚園の家宅捜索を終え、押収物を運び出す県警捜査員=6日午後3時45分ごろ、牧之原市静波
川崎幼稚園で利用されている通園管理アプリ=6日午後、牧之原市内
川崎幼稚園の家宅捜索を終え、押収物を運び出す県警捜査員=6日午後3時45分ごろ、牧之原市静波

 県や保護者によると、同園では園児ごとに割り振られた専用コードがあり、登園、降園時に端末にコードをかざすと名前が表示され、一人一人の出欠を確認している。欠席の連絡もアプリ上で可能という。一方、送迎バスを利用する場合は保護者が打刻できないため、補助員がまとめて登園扱いにしていたという。県の担当者は「(事件当日の)打刻状況がどうだったか分からない」としているが、同園に子どもが通う保護者の女性は「登園扱いになっていたのであれば教室でいないことに気付くはず。何度もチャンスはあっただろうに」と疑問を口にした。
 女児は欠席の連絡がないまま園にいない状態だったが、園が所在確認をしていなかったことも分かった。保護者の男性の一人は同園について「仕事の都合でいつも通りの時間に登園できなくても、園から連絡はなかった」と証言する。市内の保育士の一人は「連絡のない欠席時は保護者に連絡するのが基本」とした上で「仕事が忙しいことも考えられるため、遠慮して保護者に電話を掛けないケースもある」と明かした。
 昨年の福岡県での園児死亡事件を受けた国の通知では「送迎バスの乗車時、降車時それぞれで座席や人数の確認を実施し、職員間で共有する」と定められたが、事件当日はどちらにも不備があったとみられる。牧之原市子ども子育て課の担当者は「県と行う監査では、通知内容を守らない状態が常態化していたのか、突発的な要因があるのか明らかにしたい」と話した。
 市は6日、再発防止に向け、出欠状況の情報共有の徹底など具体的な対策を明記した注意喚起を市内全ての保育所や小中学校に通知した。

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