静岡県東部各地で防災訓練 地域結束、備え万全に

 静岡県東部の各地で4日、大規模地震を想定した防災訓練が行われ、被災時の行動や避難所運営などの手順を確認して有事に備えた。コロナ禍での避難想定や、地域の特性・課題を踏まえて実践的な訓練に取り組んだ。

駿東伊豆消防本部による救出訓練=沼津市神田町の金岡中
駿東伊豆消防本部による救出訓練=沼津市神田町の金岡中
ポリ袋への給水を体験する中学生=伊豆の国市の長岡南小
ポリ袋への給水を体験する中学生=伊豆の国市の長岡南小
受け付けの流れを確認する参加者=伊豆市の修善寺小体育館
受け付けの流れを確認する参加者=伊豆市の修善寺小体育館
胸骨圧迫を実践する参加者=下田市の碁石が浜分譲地内テニスコート
胸骨圧迫を実践する参加者=下田市の碁石が浜分譲地内テニスコート
駿東伊豆消防本部による救出訓練=沼津市神田町の金岡中
ポリ袋への給水を体験する中学生=伊豆の国市の長岡南小
受け付けの流れを確認する参加者=伊豆市の修善寺小体育館
胸骨圧迫を実践する参加者=下田市の碁石が浜分譲地内テニスコート


倒壊家屋から「救出」 沼津


 沼津市では金岡中部・西部地区連合自治会の会員120人が金岡中で訓練に臨み、防災意識の高揚を図った。駿東伊豆消防本部沼津北署員が、倒壊家屋から逃げ遅れた人を救出する訓練を実施した。 体育館には段ボール製のベッドなどを設置し、コロナ禍を踏まえた避難所の様子を確認した。

 同自治会の土屋新一会長(75)は「高齢者が多くなってきているので、共助できれば」と話した。


ポリ袋給水体験も 伊豆の国


 伊豆の国市は長岡南小体育館で多様な避難者の受け入れや誘導の流れを確かめた。

 地元の中学生や市職員が高齢者、障害者、観光客、ペット連れなどさまざまな避難者の役を務め、区分けした体育館内の待機場所へ案内された。新型コロナウイルスの陽性者だと申告した人には防護服を着た市職員が対応し、別の避難所に搬送した。

 中学生は配備された給水車からポリ袋に水を入れて持ち運び、重さを体感した。

避難所運営方法を確認 伊豆


 伊豆市は地震発生時の指定避難所ごとに開設手順や運営方法を確認した。  修善寺小体育館での訓練には地元役員や市職員約20人が参加した。避難者に世帯ごとの名簿に記入してもらい、要配慮者や妊婦、一般など区分けした待機場所への案内を訓練した。入り口では検温と消毒を行い、健康観察カードへの記入も求めた。

 参加者は「名簿の記入に時間がかかり、人が密集してしまう」などの課題を挙げた。

救命措置 住民ら実践 下田


下田市の碁石が浜地区では住民約50人がテニスコートに集まり、傷病者への初期対応などを訓練した。

 同地区は消防署からの緊急車両の到着が長ければ20分程度と想定され、住民らは人形を使った胸骨圧迫法や自動体外式除細動器(AED)の取り扱いなどの救命措置を実践した。

同地区自主防災会の桜井啓子会長(72)は「訓練を生かし、有事に地域住民が即座に連携できる体制を整えることが肝心」と説いた。

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