マニュアルに反し作業 富士の麻酔銃誤射、発射用ガス事前に充填

 富士市の委託業者が市内でサルの捕獲準備中に麻酔銃を誤射し、案内をしていた女性に刺さった事故で、市と委託先の野生動物保護管理事務所(東京都)は31日、サルを目視で確認する前から発射用のガスを加圧するなど安全管理のマニュアルに反する作業があったと明らかにした。
 同事務所は事故の主な原因として、人に銃口が向いた状態で準備し、発射用ガスを加圧するタイミングが早過ぎた点などを挙げた。マニュアルではサルとの距離を計測後、適切な気圧までガスを充塡(じゅうてん)する手順という。
 市などによると、事故当時、女性は市職員とサルの位置を確認中だった。麻酔銃には至近距離での発射を想定し、既にガスが充塡されていたとみられる。
 誤射のきっかけとされる銃身のテーピングは、マニュアルにない行為だったことも分かった。空気漏れによる命中精度の低下を防ぐため、作業員独自の判断という。麻酔銃には安全装置がなく、同事務所の担当者は「再発防止のためマニュアルを見直し、安全管理教育を徹底する」と述べた。市は委託先を再検討した上で、麻酔銃によるサルの捕獲を続ける方針。
 事故は29日午後3時ごろ、JR富士川駅南側の住宅地で、サル捕獲用の麻酔銃を作業員が誤射し、通報者の一般女性の左腕に刺さった。富士署は業務上過失傷害の疑いなどを視野に入れ、誤射に至った原因などを調べている。

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