静岡空港、需要喚起 静岡県、国際線再開を支援 予算計上へ
静岡県は新型コロナウイルスの影響で2020年3月から全便欠航している静岡空港の国際線再開に備え、就航先での需要喚起や旅行代金の割引支援を強化する。県議会9月定例会に提出予定の22年度一般会計補正予算案に事業費約7千万円を盛り込む方針。30日までに関係者への取材で分かった。
政府が24日に発表した新型コロナの水際対策の緩和方針について県は、国が静岡空港の国際線発着再開を認める好機と捉えている。路線再開に向けた準備を航空会社などと連携して進める考え。政府は外国人観光客の受け入れ拡大につなげようと、現行2万人としている1日当たりの入国者数の上限引き上げなどを検討している。
県は、まずは規制緩和が進む韓国と台湾での取り組みを強化する。関係者によると、静岡-ソウル便を運航する韓国の航空会社とPR事業に取り組むほか、台湾・台北便の需要喚起策も現地で実施する予定。航空会社や旅行会社への助成を通じて旅行代金の引き下げも支援する。
出野勉副知事が3日、復便依頼のために韓国のチェジュ航空ソウル支社を訪問した際、同社から共同プロモーションの提案を受けていた。
静岡空港の国際線はソウルと台北のほか、中国の上海、寧波、杭州、南昌の計6路線がある。
(政治部・尾原崇也)
<メモ>政府は6月、訪日外国人観光客の受け入れを約2年ぶりに再開し、7月までに国際線発着が可能な空港を全国10カ所に拡大した。地方空港では6月に新千歳、那覇、7月に仙台、広島、高松の計5カ所の再開を認めた。国の統計によると、静岡空港の2019年度の外国人出入国者数は全国11位(20万5691人)。同年度の国際線乗降客数(日本人含む)は27万5733人で、国内線を含む路線全体の乗降客数の36・6%を占め、ほかの地方空港の割合と比べて突出していた。