成人年齢引き下げ、消費相談72件 静岡県が対策強化、高額な契約トラブルも
成人年齢が18歳に引き下げられた4月以降、静岡県内の消費生活相談窓口に寄せられた18、19歳の相談件数が72件に上ったことが30日、静岡県への取材で分かった。前年同期の81件を下回ってはいるものの、高額な契約を結びトラブルになったケースがあった。静岡県は「今後も悪質業者のターゲットになる恐れがあり、予断を許さない」として若者向けの消費者被害防止対策に力を入れる。

4~7月に県と市町の窓口に寄せられた相談件数をまとめた。主な内容は「脱毛エステで約50万円の契約を結んでしまい、解除したい」「SNS(交流サイト)やマッチングアプリで知り合った人と金銭トラブルになった」「アダルトサイトの登録料として高額な請求を受けた」など。被害額は前年を上回っているという。
成人年齢引き下げで18、19歳は未成年者取り消し権の対象外となった。親の同意がなくても携帯電話の購入やアパートの賃借、クレジットカードの作成などの契約が可能になる一方、知識や社会経験が乏しい若者の消費者被害の拡大が懸念されている。
県は消費者トラブルの未然防止を図るため、高校生や大学生らを対象にした啓発活動を強化している。2022年度の高校生向け出前講座は106回開催する計画で、前年度から約3割増やす。教員への研修や保護者向け出前講座も実施し、多面的な被害防止につなげる。県内の大学やショッピングセンターでも講座やイベントを開催している。
若者が主体となった消費者教育や啓発活動を展開するため、活動に協力する県内大学生や専門学校生の公募も始めた。消費者トラブルへの注意を促す動画を制作し、ウェブ広告や県の若者向け啓発サイトで公開していく。