テーマ : 美術・絵画・写真

新作「へび ながすぎる」 何も考えず楽しんで ふくながじゅんぺいさん(藤枝市出身)

 藤枝市出身の絵本作家ふくながじゅんぺいさん(37)=東京都=が、自身6作目の「へび ながすぎる」(こぐま社)を出版した。同郷の作家小川国夫さん(1927~2008年)の書画「蛇長過ぎる」から着想を得たユニークな作品。ふくながさんは「頭を空っぽにして楽しんでもらいたい」と語る。

「へび ながすぎる」の原画展を開いているふくながじゅんぺいさん=静岡市葵区鷹匠のひばりブックス
「へび ながすぎる」の原画展を開いているふくながじゅんぺいさん=静岡市葵区鷹匠のひばりブックス
小川国夫さん書画「蛇長過ぎる」(藤枝市文学館所蔵)
小川国夫さん書画「蛇長過ぎる」(藤枝市文学館所蔵)
「へび ながすぎる」の原画展を開いているふくながじゅんぺいさん=静岡市葵区鷹匠のひばりブックス
小川国夫さん書画「蛇長過ぎる」(藤枝市文学館所蔵)

 ふくながさんは3年前、藤枝市郷土博物館・文学館の依頼を受け、小川さんの顔を切り絵で表現したグッズを制作した。小川さんの書画に出合ったのはその時期だ。「確かに蛇は、手も足もなく長い。へんてこな生き物と気付かされた。このタイトルで絵本を描こうと決めた」と振り返る。
 絵本には、25ページにわたって長い蛇1匹が描かれる。それが蛇とは気付かないウサギたちは大縄跳び、ゴリラはターザンごっこ、プール遊びも楽しむ。正体が分かってびっくり仰天するものの、驚きはそれだけでは終わらない。
 ふくながさんはさまざまな画材を組み合わせたコラージュを得意としてきたが、今作はボールペンの線と淡色の水彩絵の具でシンプルな画面を追求した。「動物たちのユーモラスな表情や動きが生き生きと表現できた。どんなことにも『不思議だな、なぜだろう』と考える視点を大切にすることにつながれば」と話す。
 「へびながすぎる」は32ページ、1540円。静岡市葵区のひばりブックスで9月11日まで、原画展が開かれている。

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