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自死者遺族に語らいの場「心の重荷降ろして」 静岡で9月開始

 大切な人を自死(自殺)で亡くし深い悲しみを背負う人々が普段打ち明けられない思いを分かち合う「グリーフワーク」の取り組みが9月12日から、静岡市葵区のサールナートホールで新たに始まる。同ホール館長で宝泰寺の藤原東演住職(77)と、藤枝市立総合病院の竹内俊明医師(80)=心療内科=が中心となり、傾聴を通して当事者の心に寄り添う。

グリーフワークを計画する藤原東演住職(右)と竹内俊明医師=8月中旬、静岡市葵区
グリーフワークを計画する藤原東演住職(右)と竹内俊明医師=8月中旬、静岡市葵区

 グリーフワークの名は「こだまの会」。竹内医師が2008年~11年に川根本町で開催した自死者遺族の集いの名称を継承した。旧こだまの会は、藤原住職が開いていた、愛する人を病死などで失った人々の話に耳を傾ける活動と合流。「こころの絆をはぐくむ会」として同ホールで120回以上、集いを開催してきた。新しい「こだまの会」は、強い自責の念に苦しむケースもあるという自死者遺族の集いを独立させ、参加しやすくした。
 竹内医師は「かつて話を聞いた自死者遺族の女性は『15年間誰にも話せなかった』と言って、ほっとした表情で帰っていった。心の重荷を降ろす場になれば」と思いを寄せる。
 集いにはどの地域からも参加できる。参加者には守秘義務を課す▽話したくないことは話さなくてもよい▽互いの悲しみを比較しない▽その場で言ったことや聞いたことを持ち帰らない▽興味本位の質問をしない-といったルールを設ける。
 藤原住職は「会場は映画館(ホール内の静岡シネ・ギャラリー)と同じ入り口。人目を気にせずに入ってきてほしい」と呼びかける。
 9月以降、毎月第2月曜日に開催する。午後2~4時。予約不要。孤独や不安に苦しむ人を支援する静岡いのちの電話での経験を積んだボランティアの黒沼宏一さんも加わる。
 問い合わせは、サールナートホール<電054(273)7450>へ。 
 (文化生活部・遠藤竜哉)

 <メモ>こだまの会のグリーフワークでは、自死などで身近な人と死別し大きな悲しみ(グリーフ)を背負った人が、つらい気持ちを語り合い、生きるための慰めを得る。県内の自死者の数は2010年以降減少傾向だったが、県が公表している最新の統計では、新型コロナ禍が広がった20年に5年ぶりに増加して583人(男性403人、女性180人)。県精神保健福祉センターによると女性の割合が増えている。

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