農福連携 経営者ら討論 農林環境専門職大、1期生就職支援へ講座

 静岡県立農林環境専門職大は22日、学生向けのキャリアサポート講演会を磐田市富丘の同大で開いた。本年度末に始まる生産環境経営学部1期生の就職活動に向け、より良い企業選びの参考にしてもらおうと初めて企画した。農福連携に取り組む農業法人や社会福祉法人の経営者らが、働く人を大切にする職場づくりなどについてパネル討論した。

農業法人の経営者らが働きやすい職場づくりなどを説明したパネル討論=磐田市富丘の県立農林環境専門職大
農業法人の経営者らが働きやすい職場づくりなどを説明したパネル討論=磐田市富丘の県立農林環境専門職大

 浜松市南区の農業法人、京丸園の鈴木厚志社長は、誰もが働きやすい「ユニバーサル農業」の実現に向け、障害者を基準にした職場環境を整えていると説明。「障害者が働ければ、高齢者や女性も働きやすい。多様な人が働ける場所にすれば農業は強くなる」と強調した。
 御殿場市の社会福祉法人ステップ・ワンの根上豊子理事長は、障害者が栽培した農産物を活用して6次産業化を図っているとし、「関心がある学生にはぜひ力を貸してほしい」と呼び掛けた。「人を大切にする経営学会」会長の坂本光司元法政大大学院教授は、日本の食料自給率の低さを「きわめて異常」と指摘し、「農業が元気になって初めて日本が再生する」と学生たちの活躍に期待した。

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