すいとん提供、平和に思いを 浜松市南区の「フリースクール空」

 浜松市南区のNPO法人「フリースクール空」は21日、太平洋戦争中の代用食として知られる「すいとん」の炊き出しを、同市中区の市南部協働センターで行った。平和の尊さに思いを寄せてほしいと企画した。

すいとんを味わう来場者=浜松市中区の市南部協働センター
すいとんを味わう来場者=浜松市中区の市南部協働センター

 すいとんは本来、国内各地に伝わる郷土料理だった。米などの食料が不足していた戦時中は、雑穀の粉を練った団子や野草を海水などで煮て食べていたという。今回は、ニンジンやカボチャなどの野菜を使い、だしの効いた優しい味付けのすいとんに仕上げた。
 同スクールの生徒やスタッフが調理し、来場者に無料で振る舞った。このほか、戦時中に出兵した男性や激戦地だったフィリピンで子ども時代を過ごした女性が体験談を語る記録映像を上映し、戦争の恐ろしさを伝えた。
 来場した深津悟子さん(56)は「すいとんは具が多く、おいしかった。戦争体験者の母からよく当時の話を聞いていて、戦争は絶対にしてはいけないと思う」と声を強めた。
 会場では、ロシアによる軍事侵攻を受けているウクライナの子どもの支援に充てようと募金箱を設置した。

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