父顕彰に感謝、生まれた交流 ベルリン五輪金・杉浦さんの親族 念願の浜松、磐田訪問 きっかけは静岡新聞記事

 太平洋戦争前の1936年ベルリン五輪の競泳金メダリストで浜松市南区出身の故杉浦重雄さんの長女令子さん(66)=群馬県大泉町=らが19日、杉浦さんの顕彰看板が立つ同区鶴見町と、母校・磐田南高(磐田市)を初めて訪れた。昨年8月に同看板を紹介した本紙記事を令子さんの親族がウェブ上で見つけ、浜松市の関係者と交流してきた縁で念願の来訪を果たした。

杉浦重雄さんの顕彰看板前でベルリン五輪の金メダルを手にする長女令子さん(右から2人目)と2人の孫=19日午後、浜松市南区鶴見町
杉浦重雄さんの顕彰看板前でベルリン五輪の金メダルを手にする長女令子さん(右から2人目)と2人の孫=19日午後、浜松市南区鶴見町

 杉浦さんは同五輪800メートルリレーの優勝メンバー4人の一人。戦前だったことや、浜松市に合併前の飯田村出身だったことなどから、これまで同市出身の金メダリストとしてあまり市民に認知されていなかった。
 地元出身の英雄を顕彰しようと、飯田地区自治会連合会は2020年12月、南区の補助金を受けて看板を設置。杉浦さんが「子供の頃、天竜川支流の西派川で泳いだりしていた」などと逸話も掲載した。
 本紙記事を見た令子さんは同市役所に電話し、看板設置に尽力した吉田和子青屋町自治会長(82)らを紹介され、手紙などで交流してきた。19日は杉浦さんの孫らが運転する車で約7時間かけて到着。吉田さんと面会し、同五輪の金メダルを披露した。
 令子さんは杉浦さんが生前、「俺の背丈は米国人の肩ぐらいだったが、負ける気はしなかった。体の大きさは関係ない」と語っていたことを紹介。吉田さんは「顕彰看板を立てた縁でご親族に会えてうれしい」と喜んだ。
 磐田南高では約30年前にプールサイドに設けられたOBで五輪メダリストの杉浦さん、寺田登さん、牧野正蔵さんの顕彰碑を見学した。創立100周年記念事業実行委員会の浅羽浩委員長(70)は「卒業生、在校生の誇りである杉浦さんのご親族が、記念すべき年に来校されたことに感激している」と語った。

 杉浦重雄(すぎうら・しげお)氏 1917年5月生まれ。享年70。旧制見付中(現磐田南高)で水泳に打ち込み、早稲田大の学生だった19歳の時、1936年ベルリン五輪に出場した。杉浦氏のほかベルリン五輪で競泳に出場した見付中出身者では、寺田登氏が1500メートル自由形で金メダル、牧野正蔵氏が400メートル自由形で銅メダルを獲得している。

 

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