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22.7メートル「上振れの可能性」 浜岡原発の最大津波高、規制庁が見解 審査状況を御前崎市に初説明

 原子力規制庁は19日、中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の新規制基準適合性確認審査の状況を初めて地元の御前崎市と同市議会に説明した。中電が7月の審査会合で示したプレート間(南海トラフ)地震による22・7メートルの想定最大津波高について、海底地滑りなど地震以外の要因の組み合わせで「上振れする可能性は否定できない」と指摘した。

中部電力浜岡原発の審査状況を説明する名倉調整官(中央)。左は柳沢市長=19日午前、御前崎市役所
中部電力浜岡原発の審査状況を説明する名倉調整官(中央)。左は柳沢市長=19日午前、御前崎市役所

 同市の長年の要望に応えた形で、同市議会全員協議会に名倉繁樹安全規制調整官ら4人が出席した。名倉調整官は「この地域は震源域にあり、地震と津波が間を置かずにやって来る」とし、地震で地滑りが起きた場合は津波が重なって22・7メートルを上回る場合があるとした。最も高い想定津波高「基準津波」の策定には至らず、他にも陸域から海域にかけて東西方向に走る「H断層系」の活動性評価など、依然として自然現象の審査に時間を要している現状を説明した。
 浜岡原発は4号機が審査申請から8年半、3号機は7年2カ月が経過し、議員からは審査の迅速化を求める声が相次いだ。名倉調整官は審査会合の後に論点や指摘事項を中電とすり合わせるなど対策を実施していると主張し、「審査の効率化にはお互いの努力が必要」と述べた。
 原子力規制庁は原子力規制委員会の事務局として共に審査を担う。本庁の職員が立地自治体に出向いて審査の途中経過を説明するのは全国で初めて。柳沢重夫市長は「(4号機の審査申請の)2014年以降は毎年のように説明をしてほしいと申し入れてきた」と話し、「中電との食い違いがないように調整し、審査会合を実のあるものにしてほしい」と語った。

主な質疑応答 「絶対安心」なかなか言えない

 御前崎市議会の質疑と原子力規制庁の回答は次の通り。
 ―高さ22メートルの防潮堤を津波が70センチ乗り越えても、広い敷地ではそれほど冠水しないと思うが。
 「新規制基準は東京電力福島第1原発事故の原因を考慮している。福島と同様の事故を防止しようとすると、(敷地に津波を浸入させない)ドライサイトという考えに必然的に至る。乗り越えるのはわずかだという意見はあると思うが、22・7メートルはプレート間地震のみの値。地震で地滑りが起こった時は津波が重なり、22・7メートルが上振れする可能性は否定できない」
 ―審査の長期化はそれだけ安全ではないと解釈できる。見解は。
 「審査が『ここまで来れば絶対に安心』とはなかなか申し上げられない」
 ―機動的に審査会合を開催しているように見えない。中電とのコミュニケーション不足があるのではないか。
 「われわれも気になっている。ヒアリングや審査会合など全ての場で疑問点があればその場でやりとりし、行き違いがあれば直ちに是正している。より実質的な議論へ継続的な改善が必要」
 ―運転期間を原則40年とするルールで、停止期間はカウントするのか。
 「およそ政治的に決められたルールであり、科学的根拠をもって40年とされてはいない。(カウントするかは)立法府の問題になる。機器の劣化がどれほど進んでいるかは停止中であっても確認せざるを得ない」

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