ヴァンジ彫刻庭園美術館活用調査 静岡県、年度内に譲り受け判断

 新型コロナウイルス禍の影響で経営難に陥り、静岡県への無償譲渡を要望しているヴァンジ彫刻庭園美術館(長泉町)について、県は同美術館の新たな活用コンセプトや運営方法の調査に乗り出す。民間委託で秋ごろをめどに調査結果をまとめ、市町負担の在り方や美術品の賃貸借関係解消などの課題も踏まえて、本年度内にも県が無償譲渡を受けるかどうかを判断する方針。
 調査は、県東部に位置する他の博物館・美術館などの集客力や近年の観光動向、公立文化施設に求められる役割を分析した上で、同館の活用方法などの提案をまとめる。運営方式の在り方や、活用案の実現に向けた事業費や収支の試算も行う予定。県は本年度一般会計6月補正予算に調査事業費500万円を計上した。
 同館は2021年11月、長泉町や沼津市など近隣3市2町と共に美術館の存続支援を県に要望し、東部地域の文化拠点としての無償譲渡を提案した。県は22年1~3月に有識者による対応検討会を開催。同検討会の報告書は、同館の文化・観光拠点としての価値を認めた一方、無償譲渡を判断する際の課題に展示中の彫刻作品や駐車場の賃貸借関係の解消をはじめ、地元市町の負担の検討、新たな活用コンセプトの明確化を挙げた。

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