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緊急輸送ルートに倒壊恐れ建物358棟 静岡県、耐震性の有無公表へ

 大規模地震時に緊急車両が通行する緊急輸送ルートや中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)事故時の避難経路沿いに、倒壊した場合にルートや避難経路をふさぐ恐れがある旧耐震指針で建てられた一定の高さ以上の建築物が418棟あり、このうちの8割強に当たる358棟の耐震性が実際に不足していることが17日までに、静岡県への取材で分かった。県は418棟の耐震性の有無について、耐震改修促進法に基づき来年1月を目途に公表する。

緊急輸送ルート沿いの建築物耐震診断実施状況(6月14日現在)
緊急輸送ルート沿いの建築物耐震診断実施状況(6月14日現在)

 県は同法に基づき、2019年に耐震改修促進計画を策定した。1981年5月以前の旧耐震基準で建てられ、倒壊した場合に緊急輸送ルートなど防災上重要な道路をふさぐ恐れがある建築物の所有者に対し、今年3月末までに耐震診断を実施し、結果を報告するよう義務付けた。
 それによると、418棟のうち耐震補強をするなどして耐震性がある建物は52棟(12%)にとどまった。耐震診断を実施中の建物が1棟、所有者不明で報告がない建物が6棟などとなった。
 対象とした緊急輸送ルートは、県広域受援計画に位置付けられた全ルートのうち、東名高速道や新東名高速道の各インターチェンジから県や市町の災害対策本部、災害拠点病院などを結ぶ延長約580キロ。避難経路は浜岡原発からおおむね30キロ圏に入る110キロ。
 同法では、所有者に耐震補強設計と耐震改修の努力義務が課されている。県は本年度中に輸送ルートや避難路沿いの建築物の耐震化に関する数値目標を定めるほか、市町や関係機関と連携し、補助制度の周知や専門家の派遣による耐震化の促進を進める。
 県建築安全推進課の担当者は「耐震性が十分でない建築物が多く残っている。優先順位を付けながら輸送ルートや避難路をふさぐリスクを減らしていく」と話す。
 (社会部・武田愛一郎)

 緊急輸送ルート 大規模地震時、自衛隊や消防、警察などの緊急車両が円滑に走行するため、県が県耐震改修促進計画に位置付けた道路。原子力災害時に県民が避難する道路も含む。沿道の建築物は耐震化を図ることが努力義務化されている。県広域受援計画に定めた緊急輸送ルートや、県、市町の地域防災計画に規定された緊急輸送路、避難路がベースになっている。

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