マダニ媒介感染症「SFTS」確認相次ぐ 静岡県、野外活動注意呼びかけ

 マダニが媒介する感染症で、症状が悪化すると死亡する恐れのある「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の人への感染事例が静岡県内で相次いでいる。昨年本県で初めて確認されたが、今年は既に昨年1年間の状況を上回った。県感染症対策課は「野外で活動する機会が増える夏場は特に注意が必要」と呼びかける。

人を吸血するタカサゴキララマダニ(県提供)
人を吸血するタカサゴキララマダニ(県提供)
マダニ対策のポイント
マダニ対策のポイント
人を吸血するタカサゴキララマダニ(県提供)
マダニ対策のポイント

 県内では昨年4人、今年は8月16日時点で6人の感染が確認された。10人のうちの8人は農作業や山林での伐採中にマダニにかまれたとみられる。居住地別では県西部が6人で、中部が3人、東部が1人。
 SFTSは、主にウイルスを保有するフタトゲチマダニやタカサゴキララマダニにかまれることで感染する。発症したペットのイヌやネコの体液を介した感染の可能性もあるという。
 初期症状は発熱や全身の倦怠(けんたい)感、嘔吐(おうと)、下痢など。重症化すると意識障害やけいれん、呼吸不全などが現れる。国立感染症研究所は致死率を6~30%としている。
 県内では、県が2013~15年に行った調査でSFTSウイルスを保有するマダニが見つかった。人への感染は西日本で多かったが、野生動物に付着して運ばれ、東日本でも徐々に広がってきた。
 治療は対症療法のみのため、「マダニにかまれないことが最も重要」(県感染症対策課の担当者)。マダニが多く生息する森林や草地に入る場合は長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴などを着用して肌の露出を控え、虫よけスプレーを塗るなどの対策を勧めている。かまれた場合は早めに医療機関を受診し、マダニの除去や洗浄を受ける必要がある。
 県環境衛生科学研究所(藤枝市)微生物部の有田世乃班長は「今後は県内でも人への感染が増える可能性がある。過度に恐れる必要はないが、十分な対策を心がけてほしい」と訴える。

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