マンゴーにイチゴ 温暖な気候生かし栽培盛ん 藤枝市・青南町【わたしの街から】

 JR藤枝駅の南西、市街地を抜けた先に位置する藤枝市青南町。のどかな田園風景が広がり、農業が盛んな地域だ。日照時間が長く温暖な気候を生かし、果物を栽培するビニールハウスが立ち並ぶ。

「ふじえだ完熟マンゴー」を育てる河村剛志さん=藤枝市青南町のスイートネス・ファーム藤枝
「ふじえだ完熟マンゴー」を育てる河村剛志さん=藤枝市青南町のスイートネス・ファーム藤枝
藤枝市 青南町
藤枝市 青南町
「ふじえだ完熟マンゴー」を育てる河村剛志さん=藤枝市青南町のスイートネス・ファーム藤枝
藤枝市 青南町

 

藤枝のマンゴーに感動 生産始めた河村さん「名産になれば」


 「こんなにおいしいフルーツがあるのか」。マンゴーのハウス栽培を手掛ける「スイートネス・ファーム藤枝」代表の河村剛志さん(42)は、藤枝産のマンゴーを初めて味わった時の感動を覚えている。
 もともと市内で自動車製造会社を営む河村さん。人の暮らしと密接に関わる「食」に関心があり、農業で新規事業を立ち上げようと考えていた。3年ほど前に青南町のマンゴーハウスを譲り受け、本格的な生産に乗り出した。栽培する11種を「ふじえだ完熟マンゴー」と命名し、自らが感動した夏の味覚を発信するために力を注ぐ。
 
ふじえだ完熟マンゴー。強い甘みが特徴
 
 ハウスは3棟で計約5千平方メートル。500本超の株から最大1万5千玉ほどが収穫可能という。ただ、高級フルーツのため1玉ずつの丁寧な世話が必要となり、これまでは苦難の連続だった。
 初収穫となった昨夏は冬場の給水が多すぎたためか、実を付けたのは目標の5分の1程度にとどまった。今夏は収穫量が増えたもののミツバチを使った授粉に課題が残った。それでも「少しずつ栽培技術は上がっている」と前を向く。
 マンゴーはハウスに隣接した直売所での販売が中心。インターネット注文も受け付けているほか、スイーツ店などにも卸している。まずは収穫量を安定させ、「藤枝の人に愛してもらえるようになりたい」と目標を語る河村さん。「おいしさが多くの人に伝わり、藤枝の名物になればうれしい」と意気込む。
 

 国内最大級イチゴ農園も 映えるスイーツ、その場でおいしく

 
「いちごおり」を撮影する女性客。写真映えするスイーツとして人気を集める

 藤枝市青南町には国内最大級のイチゴ農園がある。「ジャパン・ベリー」(上山優社長)には2万6000平方メートルのビニールハウスがあり、写真映えするイチゴのスイーツを販売している。
 看板商品は、氷を使用せず、凍らせたイチゴをそのまま砕いたかき氷の「いちごおり」。イチゴの甘みや酸味をダイレクトに楽しめる。抹茶や甘夏を素材にしたサンデーなどもそろえた。
 1年ほど前に、スイーツを味わう場所としてあずまやを設置。イチゴ狩りを開催する冬だけでなく、夏場も人気を呼ぶスポットになった。
 同社では、本県のオリジナル品種「きらぴ香」が早生(わせ)品種であることに着目して「超促成栽培」にも取り組む。株元を冷やすなどして、通常より2カ月ほど早い10月上旬の初収穫を可能にした。上山社長は「ほぼ通年で供給できるようにすることを目指す」と語る。

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