国際線再開 先行の地方空港苦戦 入国制限や感染拡大影響
地方空港の国際線発着について政府はこれまで、新千歳と那覇で6月中、仙台と広島、高松で7月中の再開を決めた。いずれの空港も検疫などの体制を整えたが、実際の運航再開は順調ではない。外国人入国者数を1日当たり2万人とする上限や、添乗員付きツアーのみの制限、日本国内の感染拡大などが影響しているとみられる。

7月中の再開対象になった3空港は、8月上旬の運航再開がかなわなかった。広島空港について広島県空港振興課は「中国や台湾の入国規制が厳しく、燃料費高騰に伴う燃油サーチャージの引き上げもある。旅行需要が生まれにくい状況」と頭を悩ませる。
仙台空港では台湾の格安航空が秋以降のチケット販売を始めたが、実際に運航するかは不明という。宮城県空港臨空地域課は「県の海外事務所に聞くと日本への旅行需要が少ないようだ」と厳しさを語る。高松空港も同様で「入り口としてチャーター便の再開も呼び掛けている」(香川県交通政策課)という。
新千歳空港は7月中旬にソウル便が運航を再開したが、便数や利用者数は伸びていない。「欠航中の会社が復便を目指す動きはあるが、感染状況次第でキャンセルになる可能性がある」(北海道航空課)と注視する。那覇空港も8月は韓国の格安航空による限定運航にとどまっている。