静岡ビル火災 焼け跡に遺体、消防隊員か 建物内進入後不明に

 13日夜に静岡市葵区呉服町のビル3階の飲食店で発生した火災で、静岡中央署は14日、焼け跡から1人の遺体が見つかったと発表した。市によると、消火活動をしていた市消防局駿河消防署駿河特別高度救助隊の消防司令補の男性(37)が行方不明になっている。同署が身元の確認を急いでいる。

遺体が発見され、多くの消防隊員が集まる火災現場近く=14日午前2時半ごろ、静岡市葵区呉服町2丁目
遺体が発見され、多くの消防隊員が集まる火災現場近く=14日午前2時半ごろ、静岡市葵区呉服町2丁目
煙が立ち上がる火災現場=13日午後11時50分ごろ、静岡市葵区呉服町2丁目
煙が立ち上がる火災現場=13日午後11時50分ごろ、静岡市葵区呉服町2丁目
遺体が発見され、多くの消防隊員が集まる火災現場近く=14日午前2時半ごろ、静岡市葵区呉服町2丁目
煙が立ち上がる火災現場=13日午後11時50分ごろ、静岡市葵区呉服町2丁目

 市消防局によると、ビルは鉄筋コンクリート造りの地上4階地下1階建て。行方不明の消防隊員は火元確認のため他の隊員2人と1列でビル内に入った。隊長が退出を指示した時点で3人はそろっていたが、3分後に消防隊員の行方が分からなくなったという。消防隊員は先頭で入り、退出時は最後尾だったとみられる。
 2020年7月には吉田町川尻の日用品メーカー「レック静岡第2工場」の火災で同局の隊員3人と警察官1人が殉職した事故があったばかり。田辺信宏市長は記者会見し、「組織改編や教育訓練も充実させている中での事故で痛恨の極み。徹底的に原因を解明する」と述べた。
 火災は約5時間半後に鎮火した。飲食店の客は全員避難したが、従業員1人が体調不良を訴えて救急搬送された。

 ■隊員同士を結ぶロープ着用せず
 13日夜に静岡市葵区呉服町のビル3階の飲食店から出火し、1遺体が見つかった火災。市消防局によると、行方不明になった消防隊員を含む隊員3人は現場に入った際、隊員同士を結ぶロープを着用せずに活動したという。屋内進入では原則、複数の隊員をロープで結ぶことが活動基準に定められている。今回は現場に煙が充満していたものの、床面付近の視界が確保されていたため、床の消防ホースをたどって進入、退出する方法を取ったという。
 同局は床付近の視界が明瞭だったことに加え、ロープを装着することによって隊員の活動範囲が制約され、捜索時間のロスも発生するなどと説明。伴野泰造警防部長は「今回は視界や活動条件が整っていると隊長が判断し、ホースを代用する手法を取ったと考えられる。活動に問題はなかった」と強調した。
 一方で消防関係者からは「ロープを使用することは基本。着用していれば防げた可能性がある」「ロープの方が軽くて自由が利くため、ホースを代用したことは疑問。安全管理に問題がある」などの声も聞かれた。

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