静岡空襲題材の創作オペラ「ある水筒の物語」広める声楽家 田川理穂さん【とうきょうウオッチ/インタビュー】

 静岡市で行われた2019年の初演と昨年の再演に日本兵役で出演。7月には都内で作品を紹介するコンサートを自ら開いた。物語を幅広い世代に知ってもらい、平和への祈りを国内外に伝えたいと願う。東京都町田市在住。45歳。

田川理穂さん
田川理穂さん

 ―「ある水筒の物語」に関わるようになった経緯は。
 「企画した『うきうきプロジェクト』の仲戸川知恵子代表に声を掛けてもらったのがきっかけ。静岡県とはそれまでも静岡市、三島市、伊東市の合唱団を指導した縁があった。最初に台本を読んだ時、『二度とこのようなことが起きないために、どうするべきか』という気持ちを抱いた」
 ―物語は、空襲の犠牲者と墜落した米軍機搭乗員の合同慰霊祭を続ける医師、菅野寛也さんの体験を基にする。
 「6月にその慰霊祭に出席した。菅野先生に東京でのコンサート計画を話し『美談で終わらせず、ありのままを伝えてほしい』との言葉をいただいた。作品の中の『この慰霊祭が平和の一歩となるために』という歌詞に、先生の全ての思いが詰まっていると改めて意識する機会になった」
 ―東京でのコンサートの手応えと、今後の目標を。
 「聞いた人たちが平和の大切さに共感してくれた。ウクライナ問題で戦争が決して人ごとではなくなった今だからこそ、一人一人の心に届ける意味は大きい。関係者で目指すハワイ公演を実現するとともに、いずれはイタリア・ミラノのスカラ座で上演できればとの夢も持っている」

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