テーマ : 気象・災害

温泉街に濁流 復旧めど立たず「夏の営業厳しい」 台風被害の松崎・雲見

 伊豆半島を直撃した台風8号の影響で松崎町雲見地区の中心部を流れる太田川が14日、氾濫し、民宿が密集する温泉街に甚大な被害をもたらした。川周辺の家屋が浸水し、広範囲で断水も発生。温泉管の破損により、一部の民宿では温泉の供給がストップした。「この夏の営業は厳しいかもしれない」-。お盆休みの書き入れ時に休業を余儀なくされた民宿関係者からは悲痛な声が漏れた。

屋内に泥水が流れ込み、かき出し作業に追われる地元住民ら=14日午前、松崎町雲見
屋内に泥水が流れ込み、かき出し作業に追われる地元住民ら=14日午前、松崎町雲見
土砂崩れの影響で倒壊した空き家=14日午前、松崎町雲見
土砂崩れの影響で倒壊した空き家=14日午前、松崎町雲見
流木で流れが妨げられ、氾濫した太田川=14日午前、松崎町雲見
流木で流れが妨げられ、氾濫した太田川=14日午前、松崎町雲見
屋内に泥水が流れ込み、かき出し作業に追われる地元住民ら=14日午前、松崎町雲見
土砂崩れの影響で倒壊した空き家=14日午前、松崎町雲見
流木で流れが妨げられ、氾濫した太田川=14日午前、松崎町雲見

 太田川は雨量に加え、上流部の土砂崩れで発生した倒木が流れを妨げ、氾濫したとみられる。町によると、約30世帯が浸水した。水道管の破損により約70世帯で断水し、復旧のめどは立っていない。松崎三浦温泉によると、温泉供給は同地区の民宿約30軒のうち、半数以上で停止している。
 浸水被害を受けた住民らは早朝から泥水のかきだし作業を進めた。民宿「川端荘」は玄関外の高さ約1メートル付近まで泥が堆積し、温泉も止まった。店主の高橋英男さん(62)は「昨年に比べて客足が戻り、この夏は満室だったのに。しばらく営業は厳しい」と肩を落とした。民宿「太郎」の店主鈴木八十志さん(63)も「営業どころではない。自分たちの生活もままならない」と話し、予約のキャンセル対応に追われた。
 土砂崩れの影響で空き家1軒が倒壊する被害もあった。付近に住む土屋久夫さん(85)は「昨夜は激しい雷雨で裏山が崩れるかと思った。ほとんど眠れなかった」と振り返った。断水については「この暑い時期で熱中症の不安もあるが、仕方がない。復旧を願うばかり」と吐露した。
 町はこの日、午後8時ごろまで現地に給水タンクを設置し、住民に飲料水のペットボトルを配布するなどの対応を取った。15日の給水対応は午前8時から開始する予定という。
 問い合わせは松崎町総務課<電0558(42)3963>へ。

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