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若手画家公募展 杉山さん(菊川出身)最高賞 フィレンツェ渡航へ

 菊川市青葉台出身で北海道の大学で絵画を学ぶ杉山花菜(はなな)さん(28)が7月、国内の若い精鋭作家の発掘を目的とする「第24回雪梁舎フィレンツェ賞展」(雪梁舎美術館主催)で最高賞のフィレンツェ大賞に輝いた。3カ月間、イタリアのフィレンツェで制作活動を行うことができる。

フィレンツェ大賞に輝いた杉山さんの作品「シンショク」(杉山さん提供)
フィレンツェ大賞に輝いた杉山さんの作品「シンショク」(杉山さん提供)
杉山花菜さん
杉山花菜さん
フィレンツェ大賞に輝いた杉山さんの作品「シンショク」(杉山さん提供)
杉山花菜さん

 全国から164点の応募があった。受賞作はS100号サイズの大作。ぼろぼろの停止線や植物を踏む人間の足、捨てられた空き缶やたばこなどを油彩・テンペラ混合技法で描いた。
 作品名は「シンショク」。雨や風による「浸食」と人間が自然を「侵食」する様子を表現した。自宅から大学までの道で見つけた停止線の様子を写真に撮ったり、大学の草を刈って観察したりと臨場感にこだわった。
 現在、星槎道都大美術学部で学んでいる杉山さんは「受賞の連絡を電話で受けたときは驚いて声が出なかった。大きな賞は初めてで実感がわかない」と喜びをかみしめる。
 大学には浜松江之島高芸術科を卒業後、ピアノ修理会社での勤務を経て入学した。「絵を描くことが自分の幸せ。仕事も好きだったが夢を捨てきれなかった。自分の人生だからとことん好きな事をやろうと思った」。しかし、公募展では落選が続いた。「周りより遅れて入学したので結果が出ず焦ることもあった。その分、今回の受賞はうれしかった」と語った。
 フィレンツェへの渡航時期は新型コロナウイルスや国際情勢の影響で未定。渡航したら美術館を巡って絵画を学びたいという。
 

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