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田代ダム案に流域首長認識 難しい問題/筋違い/河川法抵触は【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川流量減少問題を巡り、県庁で10日に開かれた川勝平太知事と流域10市町の首長らの意見交換会。JR東海が「トンネル湧水の全量戻し」の代替案として提示した東京電力田代ダム取水抑制案について、出席した8人の首長は東電と水利権を巡り協議を重ねてきた地域の歴史を念頭に「大変難しい問題だ」との認識を相次いで示した。

意見交換会に出席した首長のコメント(会合での発言内容を含む)
意見交換会に出席した首長のコメント(会合での発言内容を含む)

 川根本町の薗田靖邦町長は官民による「水返せ運動」が展開された結果、2005年に河川維持流量が確保された経緯に触れ、「(東電が水を譲るのか)難しい問題。今後の展開をしっかりと見守りたい」と述べた。吉田町の田村典彦町長は「東電が発電に使用せず大井川に返す水があるのならば、それは流域に返すべき水だ」と指摘し、JR東海が減水対策として活用するのは筋違いとの認識を示した。
 島田市の染谷絹代市長は実現を期待しつつ、今回の取水抑制案が河川法で認められていない水利権の売買に当たるのか「十分な知識がない」とし、今後、県有識者会議の地質構造・水資源専門部会委員と意見交換することを要望。川勝知事は定期的に開催すると約束した。
 川勝知事は会議後の取材に「JR東海が専門部会でしっかりと説明すべき話。現実的な案となるよう見守っていく」と述べた。
 意見交換会では国と綿密に連携し、問題の解決策を探ると県、市町間で合意したほか、県がリニアの早期開業を目指す建設促進期成同盟会に加盟した現在も「現段階で工事は認められない」との認識を持っていることを確認した。

 

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