夏山富士、遭難急増 連日の救助要請、静岡県警が警戒強化

 本格的な夏山シーズンを迎えた7月以降、県内で山岳遭難が相次いでいる。特に富士山では1カ月間で15件発生。前年同期に比べて9件増え、遭難者数も3倍近い16人に上る。新型コロナウイルス感染拡大前の水準に戻りつつあり、8月に入っても連日救助要請が続く。遭難理由の多くが体力や準備の不足で、県警は「無理のない登山計画と十分な装備を」と呼びかけている。

登山中の親子に高山病対策などを助言する県警山岳遭難救助隊員(左)=5日午前、富士山富士宮口7合目付近(県警提供)
登山中の親子に高山病対策などを助言する県警山岳遭難救助隊員(左)=5日午前、富士山富士宮口7合目付近(県警提供)

 県警地域課によると、遭難者16人のうち3人が負傷し、1人は足の靱帯(じんたい)を損傷した。13人には目立った負傷はなかったが、下山時に体力が低下して歩行困難になるなどし、救助を求めるケースが多かった。
 軽装が多い外国人の登山者数がコロナ禍以前の水準まで戻っていない中で、登山経験の浅い日本人が高山病に加え、熱中症の症状を訴えることも多い。単独の登山者による救助要請が目立つという。
 県警が3年ぶりに常駐警備を再開した南アルプスを含む県全体の山岳遭難は20件と、前年同期比で倍増。遭難者は21人(死者1人)と10人増えている。
 他方、7月中の水難事故の発生数などは前年同期と同水準だが、死者が3人増の6人。
 地域課の担当者は「行動制限がない8月も水難事故、山岳遭難ともに増加が懸念される。無理な入水を避けるなどの安全管理や、万が一に備えた準備の徹底を」と求める。
 

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