ゲノム解析「早急に現場へ」 サクラエビなど MaOI、静岡県水技研が成果報告

 サクラエビなど県内主要水産資源の持つ遺伝子情報を総合的に示すゲノム(全遺伝情報)解析に、世界で初めて成功したMaOI(マリンオープンイノベーション)機構=静岡市清水区=と県水産・海洋技術研究所は5日、沼津市で開催中の日本進化学会沼津大会で研究内容と成果を報告した。担当者らは生息量の把握による資源管理や、ブランド魚種の維持に向け「早急に現場へ活用できるよう精度を上げる」としている。

ゲノム解析についてポスター展示で説明する五條堀孝研究所長(左端)ら=5日午後、沼津市のプラサヴェルデ
ゲノム解析についてポスター展示で説明する五條堀孝研究所長(左端)ら=5日午後、沼津市のプラサヴェルデ

 ポスター展示の形で紹介した。同機構の五條堀孝研究所長と斎藤禎一上席主幹研究員、後藤康丞主任研究員、県水技研の倉石祐主任研究員が説明。特に、生態がよく知られていないサクラエビのゲノム解析は「意義が大きい」(斎藤上席主幹研究員)と強調。遺伝子予測でサクラエビからは約4万2千の遺伝子の存在が確認されたとした。遺伝子配列によって、生息する海域などが分かることも挙げた。斎藤上席主幹研究員は「(ゲノム解析に対する)漁業者の関心は高い。連携して資源管理などにつなげたい」と話す。
 今回の魚種(サクラエビ、タカアシガニとシラス=3種類のイワシ=、キンメダイ)はいずれも資源の枯渇が懸念されている。倉石主任研究員は「生態解明の基本が整った。完全養殖も期待できる」と言う。

 <メモ>ゲノム 生物の組成に必要な遺伝情報。DNAを織りなす4種類の物質「塩基」の配列で表される。今回、全ゲノムの解析に成功したカタクチイワシの場合、中国から台湾、日本にかけてのカタクチイワシ集団のゲノム構造に地域差がないことが示唆された。

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