静岡人インタビュー「この人」 山口智史さん 下田ライフセービングクラブ理事長 

 日本ライフセービング協会の認定海水浴場に下田市の6カ所が認定された。牧之原市の2カ所と合わせ本県は全国最多の8カ所。自身も認定に尽力し、海の安全や環境保全にも引き続き励んでいる。元東京消防庁の消防士で、現在は下田市の地域おこし協力隊員としても活動。東京都世田谷区出身。39歳。

山口智史さん
山口智史さん

 -認定の受け止めを。
 「日本国内の認定基準は国際規格よりも厳しく、市も協力してくれたが、まさか6カ所も認定されるとは思わなかった。今までのさまざまな機関の活動が第三者から評価され、ビーチの付加価値が大きく高まった」
 -下田の海の魅力とは。
 「首都圏からこれだけ近く、水質が良いところは少ない。また、海水浴シーズン中も遊泳客とマリンスポーツ愛好家が共存しているのも特徴。日頃からサーフショップやサーファーなどによる清掃が活発に行われ、美しい景観が保たれている」
 -海水浴客への呼び掛けを。
 「とにかく飲酒して泳がないでほしい。判断力が鈍り、脱水症状を引き起こしやすく、海難事故の危険性が高まる。水温と気温の温度差で筋肉がけいれんもしやすくなる。さらには近年は迷子が増えていて、子供だけで遊ばせるのも事故のリスクが高まる。天候が穏やかな日に海水浴を楽しんでほしい」
 -抱負を。
 「子供へのライフセービング教室に引き続き励みたい。自分の身を守れるようになれば、水辺の事故減につながる。ライフセーバーとして夏に下田を訪れたことをきっかけに移り住んでくれる人もいるので、移住増にも貢献したい。一方でライフセーバーの職業化につながるシステム作りも必要なので、県や国にも協力を呼び掛けたい」
 (下田支局・伊藤龍太)

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