グラフで見る新型コロナ 静岡県の第1波~第8波
2020年から続く新型コロナウイルス禍。静岡県内の第1波~第8波の期間中の新規感染者数、重症者数、死者数、病床使用率をまとめました。グラフは県新型コロナ対策企画課提供のデータを元に、静岡新聞社が作成しました。

※第1波、第2波については県は具体的な期間を定めておらず、感染拡大したおおむねの目安時期を集計。
※静岡県は2022年7月下旬以降の感染流行を「第8波」と表現していましたが、国に合わせて2022年4月以降を一括して「第7波」としました。静岡新聞社も同様の扱いとします。
※川勝平太知事は2022年11月11日、「第8波に入っている」と言及しました。グラフでは22年11月からを「県内第8波」とします。8波の期間は今後、県の発表により変更となる可能性があります。
第1波(期間:2020年4月頃)
2020年2月28日に静岡県内で初めて感染者を確認した。期間中の新規感染者は合計60人程度にとどまったが、 臨時休校や飲食店などへの休業措置が取られ、経験のない事態に社会は混乱した。緊急事態宣言が発令され、街から人は消えた。
◆1日当たり新規感染者数0~8人
◆1日当たり死者数0~1人
◆重症者数と病床使用率のデータなし。
第2波(期間:2020年7月~8月頃)
クラスター(感染者集団)の発生が目立った。施設名の公表を巡って行政対応が分かれ、デマや誤った情報が拡散されるなど誹謗(ひぼう)中傷も問題化した。飲食や小売りなど個人消費の動向に直結する業種の倒産が目立ち、経済活動も大きな打撃を受けた。 公立小中高校は夏休みを減らし、臨時休校で不足した授業時間を確保した。学校行事の縮小や部活動の大会中止など、子どもたちも我慢を強いられた。近距離観光や自宅でのキャンプなど、新たな夏の行楽の風景が見られた。
◆1日当たり新規感染者数0~30人
◆1日当たり死者数0人
◆1日当たり重症者数0~2人
◆1日当たり病床使用率1.3~44.6%
第3波(期間:2020年11月中旬~2021年2月中旬頃)
「病院クラスター」が相次いだ。一般診療や救急外来が制限されるなど医療体制が逼迫(ひっぱく)。特に医療提供体制が弱い県東部の長年の課題が露呈した。一方で、学校や職場などでオンラインを活用した新たな生活様式も広がりを見せた。 21年2月から医療従事者へのワクチン接種がスタートした。
◆1日当たり新規感染者数7~127人
◆1日当たり死者数0~4人
◆1日当たり重症者数1~18人
◆1日当たり病床使用率18.4~56.1%
第4波(期間:2021年4月~6月頃)
アルファ株の感染拡大により、5月に入って感染者数が増加し、病床占有率も上昇した。特に県西部の感染拡大が顕著で、湖西市の飲食店に対して一時、営業時間の短縮要請が行われた。ワクチン接種は高齢者や65歳未満の県民にも広がったが、 供給減や接種方法の制度設計の甘さなどから、接種率は自治体間でばらつきが見られた。
◆1日当たり新規感染者数8~121人
◆1日当たり死者数0~3人
◆1日当たり重症者数0~9人
◆1日当たり病床使用率14.5~39.0%
第5波(期間:2021年7月~9月頃)
7月下旬から第5波が猛威を振るった。1日の新規感染者数の最多更新(当時)が続き、8月19日に過去最多の675人が確認された。県内はまん延防止等重点措置と2度目の緊急事態宣言が発令された。 感染力の強いデルタ株によって、ワクチン未接種の世代が集まる事業所や子どもの学び場でのクラスターが増え、家庭内感染も目立った。病床使用率は最大73%に達した。保健所の業務も逼迫し、濃厚接触者の特定やPCR検査が進まないといった影響が出た。
◆1日当たり新規感染者数12~675人
◆1日当たり死者数0~7人
◆1日当たり重症者数2~37人
◆1日当たり病床使用率8.6~73.1%
第6波(期間:2022年1月~3月頃)
県内は2022年の年明け直後から第6波に見舞われた。県内の1日当たりの新規感染者は第5波が収束して以降、数人またはゼロが続いたが、年明けに急激に増加。感染力の強いオミクロン株「BA・1」の影響で1日当たりの最多感染者は2000人を超え、1月27日から54日間にわたりまん延防止等重点措置が適用された。 感染爆発の一因となったのは学校・保育施設と高齢者施設。マスクの着用が困難な乳幼児や認知症患者を預かる点で共通し、対応の難しさが浮き彫りになった。
◆1日当たり新規感染者数3~2066人
◆1日当たり死者数0~11人
◆1日当たり重症者数0~7人
◆1日当たり病床使用率2.4~68.1%
第7波①(期間:2022年4月~6月頃)
第6波が収束しないまま第7波に入った。第6波以降、県内での中等症以上の発生率は約1・6%で、無症状者や軽症者の自宅での待機・療養が急増した。 第7波が、第6波までと異なるのは、政府が社会経済活動の正常化にかじを切った中で迎えたこと。プロ野球やサッカーの競技場を観客が埋め、音楽イベントも再開した。◆1日当たり新規感染者数87~1242人
◆1日当たり死者数0~3人
◆1日当たり重症者数0~2人
◆1日当たり病床使用率3.9~18.9%
第7波②(期間:2022年7月~9月頃)
オミクロン株「BA・5」による感染が爆発的に広がり、8月24日、過去最多の7971人の感染が明らかになった。重症者は数人程度で推移した一方で、8月上旬には病床使用率が80%を超えた。 感染症法に基づく事務作業が膨大に生じ、地域医療、行政サービスの機能は危険水域に達した。 8月中頃から9月にかけて、新規感染者数も病床使用率も減少した。専門家によると、 「BA・5」は重症化事例が非常に少なく、特に60歳以下はほぼ軽症で済むとされている。
◆1日当たり新規感染者数175~7971人
◆1日当たり死者数0~14人
◆1日当たり重症者数0~14人
◆1日当たり病床使用率5.9~84.7%
第7波③(期間:2022年10月)
10月に入ってからは新規感染者数は千人代前半以下、病床使用率も20%代以下で推移している。18日には静岡市でオミクロン株の派生型「BA・2・75」が県内で初確認された。国立感染症研究所によると、 同型は症例が少なく知見が不十分だが、「BA・5」と比べて感染力が1・2倍高い可能性が示唆されている。
◆1日当たり新規感染者数225~1420人
◆1日当たり死者数0~4人
◆1日当たり重症者数0~7人
◆1日当たり病床使用率19.3~25.0%
静岡県内第8波(期間:2022年11月~)
川勝平太知事は11月11日の記者会見で「第8波に入っている」と言及した。県は3~9日に直近1週間の新規感染者数が前週比で1・4倍以上が続いたことを受けて「感染再拡大警報」を発令した。 同14日には静岡市でオミクロン株の派生型「BQ・1・1」が県内で初確認された。同型は症例が少なく、感染力の強さや治療薬の効果の知見が不十分だという。
◆1日当たり新規感染者数842~6341人
◆1日当たり死者数0~13人
◆1日当たり重症者数0~8人
◆1日当たり病床使用率27.9~70.6%
※12月27日現在