「風化させない」 被災者ら決意新た 熱海土石流発生1年1カ月

 熱海市伊豆山の大規模土石流は3日、発生から1年1カ月が経過した。土石流が流れ下った被災地付近では、被災者らが集まり犠牲者を慰霊しながら、悲劇を風化させない決意を新たにした。復旧復興に向けた動きが本格化しつつある中、伊豆山を離れて暮らす被災者は「安全が確保された古里にいつ帰れるのか、早く知りたい」と切望した。

土石流の犠牲者を慰霊する被災者ら=3日午前10時半ごろ、熱海市伊豆山
土石流の犠牲者を慰霊する被災者ら=3日午前10時半ごろ、熱海市伊豆山

 炎天下、被災者らは発生時刻の午前10時半ごろに現場付近で手を合わせた。立ち入りが規制されている警戒区域には雑草が生い茂り、月日の流れを物語っていた。損壊した住宅は応急的な修理しか認められていないため、屋根や壁の傷みも目立ち始めていた。
 自宅が全壊し、神奈川県湯河原町のみなし仮設住宅で暮らす太田滋さん(65)は「土石流を風化させてはならない。安全に暮らすために何をすべきか、伊豆山の人だけでなく全国の人も見つめ直してほしい」と話した。
 市は7~9日、警戒区域の解除スケジュールや生活再建支援策などに関する被災者向けの説明会を開く。今月中に、現地の土地利用などを具現化する「復興まちづくり計画」の策定も目指している。
 黙とうに参加した地元の漁師、金子友一さん(56)は「いろいろな話が進んでいるようだが、このままでいいのかという疑問もある。被害の責任の所在も明らかにしてほしい」と訴えた。
 (熱海支局・豊竹喬)

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