登山者減で入山料苦境 静岡県、改めて協力呼び掛け コロナの陰ここにも【静岡新聞 富士山臨時支局】

 静岡、山梨両県が任意徴収している富士山入山料(保全協力金)の徴収額が、新型コロナウイルス感染拡大に伴う登山者減少の影響で伸び悩んでいる。入山料は富士山の環境保全や安全対策に活用される貴重な“浄財”。静岡県は世界遺産富士山の普遍的価値を次代に継承するため、入山料への協力を改めて呼び掛けている。

富士山入山料の現地徴収コーナー。登山者に一層の協力を呼び掛けている=富士宮口5合目(写真部・小糸恵介)
富士山入山料の現地徴収コーナー。登山者に一層の協力を呼び掛けている=富士宮口5合目(写真部・小糸恵介)

 入山料は原則、1人千円。静岡側では富士宮、須走、御殿場の各5合目とマイカー規制駐車場で現地徴収するほか、インターネットやコンビニ店、県庁でも受け付けている。
 静岡側の徴収額は2019年度に過去最多の5700万円を記録した。ところが、コロナの影響で2年ぶりの開山となった21年度は2200万円にまで落ち込んだ。
 行動制限のない今夏は登山者数の回復が期待される一方、コロナの感染急拡大や天候不順などの不安要素がついて回る。県富士山世界遺産課は「客足が読みにくいが、一人でも多くの人に入山料の意義を伝えて協力を求めたい」と言葉に力を込める。
 入山料は世界遺産登録から1年後の14年夏に本格導入された。山小屋のトイレ改修、登山道の整備などに活用されてきた。協力率は最も高い年で60%台にとどまる。両県は公平性の観点から、入山料を法定外目的税として義務化する新たな利用者負担制度を検討している。ただ、登山者の完全捕捉や徴収業務の人件費に課題があり、新制度の導入時期は決まっていない。
 (政治部・鈴木文之)

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