新型コロナ抗原検査キット 富士宮市が「配布センター」開設方針

 新型コロナウイルス感染急拡大に伴う発熱外来の逼迫(ひっぱく)解消に向け、富士宮市は1日までに、発熱など症状のある市民を対象に抗原検査キットを直接手渡しで配る「検査キット配布センター」を期間限定で開設する方針を固めた。首都圏の都県では有症状者に郵送によるキットの配布を進めているが、自治体が設けた窓口で直接手渡しで配る方法は全国初とみられる。発熱外来を経ずに迅速な検査につなげる狙い。関係者への取材で分かった。
 政府は症状のある人に抗原検査キットを配って自ら検査してもらい、健康観察を受ける態勢整備を進めると方針を示した。発熱外来に限らず自治体窓口や薬局でも配布できるとした。市内でも7月19日以降、発熱外来が受診できないとの相談が急増し、市は発熱外来を経ずに検査できる態勢を検討してきた。
 関係者によると対象者は発熱など症状のある市民を軸に検討している。市ホームページに予約フォームを設けウェブでキット希望を受け付ける。キットは国から県を通じて納入される分を活用する。陽性者についても、県と連携して対応する。
 配布場所は市救急医療センター敷地内。ドライブスルー方式で、委託業者が防護服を着て手渡しで希望者に配る。期間は8月10日ごろから2週間ほどを想定。ひっ迫状況を見ながら、延長を検討していく。関連事業費は新型コロナウイルス対策基金などを活用する。

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