地方建設業とスタートアップ結ぶ オンラインコミュニティー設立

 担い手不足や生産性の改善など多くの課題を抱える地方建設業と多彩な技術を持つスタートアップ企業をマッチングし、課題解決につなげるオンラインコミュニティー「オンサイトX」を三島市の加和太建設が立ち上げた。当初は県内建設業3社でスタート。将来的には全国各地に展開し、新たな業界の形と地域活性化の在り方を模索する。

オンサイトXについて説明する関係者=三島市の加和太建設
オンサイトXについて説明する関係者=三島市の加和太建設

 建設業界は特に地方で若手社員の離職率が高い上、現在は免除されている週休2日制が2024年に完全義務化されるなど生産性の向上が急務になっている。巨大な市場規模の割に人材育成や業務効率化への投資は十分ではなく、業務領域ごとのサービスも他業界に比べて少ないという。同社は多彩なテクノロジーを持つスタートアップ企業との融合により、業界向けに新たなサービスや製品の開発を支援する考えだ。
 当初の参加企業は同社と木内建設(静岡市)、須山建設(浜松市)。それぞれ県東部、中部、西部に拠点を構える3社はいずれも社長が40代で、業界の将来に対する危機感を共有して課題解決に乗り出した。将来的には各都道府県で3社程度、最大150社ほどの参加を募り、売り上げ規模で計3千億~5千億円のコミュニティーに広げる方針。
 参加企業による50億~100億円規模の建設DXファンドも、年内後半をめどに立ち上げる予定。7月下旬に開設したオンサイトXには、既にスタートアップ企業からの問い合わせや提案が相次いでいるという。

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