富士山麓の難工事6年半 新東名・湯船原トンネル貫通 小山で式典

 中日本高速道路が小山町で建設していた新東名高速道の湯船原トンネルが貫通し、28日にトンネル内で貫通式が開かれた。富士山麓特有の環境が影響し、工事は「困難を極めた」(同社)。関係者が貫通を祝い、トンネルを含む区間の早期開通に期待を寄せた。

幕が下がり、光が差し込む湯船原トンネル=小山町
幕が下がり、光が差し込む湯船原トンネル=小山町
幕が下がり、光が差し込む湯船原トンネル=小山町

 トンネルは上り1598メートル、下り1604メートル。2016年1月に着工し、西側(名古屋側)から掘削を進めた。富士山噴火で噴出したスコリアが多い地盤の変状や湧水がたびたび発生。天井の補強を入念に行うなど慎重に作業を進めた。
 式には町や地元関係者ら約130人が出席した。「貫通の儀」で池谷晴一町長らがスイッチを押すと、貫通点付近をふさいでいた幕が下がり、トンネルに光が差し込んだ。池谷町長は「周辺観光地とのアクセスが向上し、観光交流人口拡大を期待している。早期に全線開通できるよう願う」とあいさつした。
 トンネルを含む新御殿場インターチェンジ(御殿場市)-新秦野インターチェンジ(神奈川県秦野市)間の約25キロは新東名唯一の未開通区間。開通時期は明確になっていない。

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