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劇団四季ミュージカル「ロボット・イン・ザ・ガーデン」 出会いや愛着…動き出す“2人”の旅

 人間とロボットの交流を描く劇団四季のオリジナルミュージカル「ロボット・イン・ザ・ガーデン」は、AI(人工知能)との共存を目指す新たな時代の在り方を考えさせる。主人公の青年ベンを演じる田辺真也と、ロボットのタングを2人で操る生形理菜と渡辺寛中が舞台に込めた思いを語った。

作品をPRする(右から)田辺真也、生形理菜、渡辺寛中=相模原市
作品をPRする(右から)田辺真也、生形理菜、渡辺寛中=相模原市
「ロボット・イン・ザ・ガーデン」の一場面
「ロボット・イン・ザ・ガーデン」の一場面
作品をPRする(右から)田辺真也、生形理菜、渡辺寛中=相模原市
「ロボット・イン・ザ・ガーデン」の一場面

 アンドロイドが人間に代わって家事や仕事を進める近未来の英国。獣医師を夢見ていたベンは、両親を事故で失ってから無気力な日々を送っていた。ある日、壊れかけたロボットのタングが庭に現れ、世話を焼くうちに愛着を強めていく。いつ停止してしまうか分からないタングを修理するため、“2人”は米国や日本へと旅に出掛ける。
 タングの四角い頭と胴体はいかにも旧式だが、パーツの大きさやバランスは放っておくことができないかわいらしさだ。生方は身長120センチほどのロボットを生きているように操るための稽古を「命を吹き込むことに命を懸けた」と振り返る。自然な呼吸と重みを感じる動きがポイントだ。
 繊細を極めた所作はタングが抱く感情の重みまで表現する。渡辺は「純粋な目線で世界がキラキラと見えることは発見だった。この世の中には小さな幸せがたくさんあることを伝えたい」と話す。
 英国の作家が2015年に出版した同名の小説が原作。翌年にはベルリン国際映画祭で「映画化したい一冊」に選ばれ、この8月には二宮和也主演の映画「TANG タング」が公開されることも話題だ。
 田辺は新型コロナウイルス禍でさまざまな制約が続くことに触れ「人恋しいという気持ちが膨らむ中でツアーができることに感謝している。タングを直すための旅と同じように、地方公演の一期一会を大事にしたい」と語った。出会いを通じた成長は四季作品のメッセージにも重なる。

 ■9月から県内公演
 県内公演(静岡新聞社・静岡放送主催)は9月26日にアクトシティ浜松大ホール、28、29、30日と10月1日に静岡市清水文化会館マリナート大ホール。このほか9月23日に磐田、25日に富士公演がある。問い合わせは劇団四季静岡オフィス<電0570(008)110>へ。

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