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特集 : 御前崎市

原子力に高まる関心 活発議論 立地市が先導を【風紋】

 6月下旬から7月上旬にかけて、御前崎市役所で参院選の期日前投票を済ませた有権者106人に出口調査をした。中部電力浜岡原発(同市佐倉)の今後について考えを問う質問では、7割の75人が「安全が確認できれば稼働した方がよい」と回答。「停止したままがよい」は20人、「どちらともいえない」は9人、「分からない」は2人だった。
 印象的だったのはこちらの聞き取りに対し、多くの方々が即座に、かつはっきりと考えを明らかにしたこと。50代男性は「このまちは“グレー”が多すぎる。もっとオープンに原子力を議論すべき」と、参院選の候補者ではなく地元行政に不満を向けていた。
 御前崎市は毎年実施している市民意識調査に、浜岡原発の再稼働の是非を問う質問がない。エネルギー政策は国策であり、「そもそも意識調査にそぐわない」(柳沢重夫市長)という理由からだ。隣接する菊川、牧之原、掛川の3市は毎年の意識調査やアンケートにこの質問を入れており、立地市の姿勢は際立つ。
 ただ、「そぐわない」という言葉で、原子力に関するあらゆる意見が埋もれてしまうのは好ましくない。全国に目を向けると、原子力施設の操業開始の遅れによる地域経済への影響を商工業者にアンケートしたり、広域避難に関する意識調査を大学と合同で行ったりする立地市もある。再稼働の是非に限らず、幅広い視野で声を吸い上げることが必要ではないだろうか。
 御前崎市の出口調査で突出した浜岡原発の再稼働を容認する意見は、隣接3市の市民意識調査でも過去最高を記録した。2011年に市議会が「浜岡原発の永久停止を求める決議」を可決した牧之原市では、「容認」が「停止」を初めて逆転した。
 電気料金の高騰などを背景に、市民の視線は今までにないほど原発に向いていると感じる。こうした関心の高まりを好機として、立地市の御前崎市には原子力について活発に意見を交わす機運を率先して醸成してほしい。
 (御前崎支局・木村祐太)

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