⚽練習前まずは勉強 清水東高サッカー部JY、名門復活の力に

 サッカーの名門復活は学習から-。清水東高サッカー部が今季創設したジュニアユースチームが、練習の前に学習塾の教材を使って自習に取り組む独自プログラムを展開している。高校生のサッカー部員が中学生の学習を支援する体制も整え、同部OBでゼネラルマネジャーの斎藤賢二さん(49)は「文武両道は清水東の伝統。サッカーだけでなく社会で活躍する人材を地元から輩出したい」と目標を掲げる。

自習後は清水東高のグラウンドに移ってサッカーの練習に取り組む
自習後は清水東高のグラウンドに移ってサッカーの練習に取り組む
清水東高サッカー部員(左端)の支援を受けて学習に取り組むジュニアユースの選手=7月上旬、静岡市清水区
清水東高サッカー部員(左端)の支援を受けて学習に取り組むジュニアユースの選手=7月上旬、静岡市清水区
自習後は清水東高のグラウンドに移ってサッカーの練習に取り組む
清水東高サッカー部員(左端)の支援を受けて学習に取り組むジュニアユースの選手=7月上旬、静岡市清水区

 学習する場所は学校近くに借りた「寺子屋」。活動は週5日で、平日は夕方、土日は午前中から集まって自習した後、同校グラウンドなどでサッカーの練習や試合を行う。平日の自習時間には高校サッカー部員の「勉強係」が交代で必ず1人つき、中学生の質問に対応している。
 ジュニアユースの1期生は静岡市清水区を中心に市内から通う中学1年生17人。サッカーの実技とともに、国語、英語、数学の学力テストで選抜した。清水飯田中1年で副主将の滝口慶哉君は「勉強習慣が付き、塾に行かなくても学校のテストでいい点が取れる」と胸を張る。
 県内では高校サッカー部が運営に関わるジュニアユースが既に数多く存在し、人工芝のグラウンドを持つチームもある。清水東高のグラウンドは土で練習環境に恵まれているとは言えないが、進学校の特長を生かそうと学習と組み合わせたプログラムを考えた。
 チームと提携しているのは秀英予備校(本社・同市葵区)。中学生が秀英予備校のロゴと清水東高サッカー部のエンブレムが入ったポロシャツとトレーニングウエアを着て通う条件で、教材提供に合意した。
 同校サッカー部は1980年代を中心に冬の全国選手権1回、全国総体4回の優勝を誇るなど、輝かしい歴史を持つが、近年は県タイトルから遠ざかっている。同校サッカー部前監督でジュニアユースの指揮を執る岡田秋人さん(65)は「学習の成果はサッカーでも個の工夫や状況判断などプレーに現れる。サッカーも学習もやり続ける力を伸ばしていきたい」と意欲を高める。

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