コーヒー販売し留学費に 静岡文芸大生「国際協力」の学び生かす

 静岡文化芸術大(浜松市中区)の学生4人が学びの成果を生かしながら留学費用を自分たちで稼ぎ出そうと、渡航予定先の発展途上国などで生産されたコーヒーを販売するプロジェクトに取り組んでいる。17、19の両日、学生が店頭に立ち、同大周辺で売り出す。

販売するコーヒーを紹介する学生ら=13日、浜松市中区の静岡文化芸術大
販売するコーヒーを紹介する学生ら=13日、浜松市中区の静岡文化芸術大

 学生らは国際協力を研究テーマに掲げる武田淳准教授のゼミやデザイン学部所属で、留学や海外でのフィールドワークを目指す。新型コロナウイルスの影響で3年生は大学入学以降海外に行けず、現在は円安で渡航費が大幅に上昇。厳しい環境が続き、留学を断念する学生も見られる中、渡航費用を捻出する企画を打ち出した。
 日本の国際協力の現場となる発展途上国にコーヒー生産地が多いことに着目。両日は、ゼミで研究しているルワンダ、フィリピンなどのコーヒー7種類を販売する。いずれも、静岡市のショップなどから取り寄せたフェアトレード商品をそろえた。予定分量を完売すれば、1人1万4千円ほどになる。
 武田准教授は「少ない金額かもしれないが、学生が置かれている状況を社会に知ってほしい狙いもある」と話し、活動を見守る。アフリカ・ルワンダに渡航予定の文化政策学部3年河田真奈さん(21)は「以前に比べて渡航費が5万円以上高くなった。全部売れるか分からないけれど、ルワンダで充実したフィールドワークをしたい」と意気込む。
 コーヒーのパッケージデザインを担当したデザイン学部2年川名春野さん(21)はフランスに留学予定。ゾウなどの動物が各国の民族衣装を着ている図柄を描き、「多様性を表したい」との願いを込めた。
 17日は午前9時から、中区のアクト通りで開かれる「アクトふれあいデイ」(雨天中止)で、19日は正午から1時間、同大生協で販売する。コーヒーは粉と豆を用意し、1袋(40グラム)350円。

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