観光通じ東伊豆に寄与 ホテル銀水荘社長/加藤晃太氏【熱き地域人 サンフロント21懇話会】

 -コロナ禍以降、観光業界は打撃を受けている。3年間をどう振り返るか。

加藤晃太さん
加藤晃太さん

 「『これ以上下がることがあるのか』と思い続けた3年だ。大型旅館にとっては特にバスや団体客の来訪が激減し、大打撃だった。ただ、旅行ムードも回復傾向にある。今夏は近隣でも宿泊の予約状況が上向きで、コロナ禍以前の平時に近づくのではと期待している」
 -観光業は町の基幹産業。コロナ禍後をどう見据えているか。
 「夕食無しの素泊まりプランの推進を町内全体の活性化につなげたいと思っている。東伊豆では宿の夕食が好評だが、客層がコロナ禍以降若返り、『まちあるき』の需要が高まっている。今までは旅館が夕食時間帯に“囲って”いた面もあり、個々の宿ではなく町全体で『東伊豆町に来てください』という姿勢を鮮明にすることが重要だ。飲食店と積極的に連携して周遊を促していきたい」
 -過疎化が進む伊豆の課題をどう捉えているか。
 「労働力の不足は地域全体の課題だろう。特に旅館は夕食時が顕著。それだけに、飲食店との連携を解決の手立てとしたい。また、町内への宿泊で東伊豆の魅力を知ってもらい、移住定住のきっかけにもしたい。地域の魅力を伝える基盤になりたいと思っている。コロナ禍で行政の支援のありがたみを痛感した。ただ、町に支援を求め続けるだけでなく、地域一体で町内経済に貢献することが必要。それが観光業界に課された重要なミッションだ」
 (毎月第2水曜日に掲載します)

 【ホテル銀水荘】1957年に温泉旅館「銀水荘」を開業し、73年には西伊豆町に「堂ケ島銀水荘(現堂ケ島ニュー銀水)」を開いた。従業員は約350人。東伊豆町稲取。

 【サンフロント21懇話会】県東部の企業、各種団体、行政関係者などで構成し、会員は約300人(6月末現在)。「地域創生につながる新産業創出と既存産業の持続的支援」「新たな観光価値創造への取り組みの支援」など4項目を2022年度の活動方針に掲げている。入会の問い合わせは静岡新聞社・静岡放送東部総局<電055(962)6520>へ。

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