浜岡原発「稼働」が伸長 近隣3市意識調査出そろう
中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の再稼働の是非などを問う市民意識調査で、掛川、菊川、牧之原の隣接3市の結果が11日、出そろった。同日発表した掛川市では「安全が確認できれば稼働した方がよい」との回答が32・9%と過去最高になり「廃炉・停止」に肉薄した。発表済みの菊川市は同率で並び、牧之原市で容認派が慎重派を逆転するなど再稼働容認の意識の広がりが鮮明になった。

掛川市の調査は市民2500人を対象に実施し、回答数は1170件(回答率46・8%)。「安全が確認できれば稼働」は前年から3・8ポイント上昇して初めて30%台に達した。「廃炉」と「停止」を合わせた回答は8・5ポイント下降の36・1%。
年代別では、20代の42・6%が再稼働を容認した。久保田崇市長は「11年前はまだ子どもで事故をよく知らない若者を中心に、稼働容認が増えている。エネルギー価格の上昇や中電の理解活動の広がりを含めた複合的な要因だろう」と分析した。
3市は2011年の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を受けて、11~14年度に市民意識調査に浜岡原発に関する項目を加えた。牧之原市の22年調査は初めて「稼働」が「停止」を上回り、菊川市ではいずれも37・8%で並んだ。
浜岡原発が立地する御前崎市は「浜岡原発は意識調査にそぐわない」(柳沢重夫市長)として、調査項目に加えていない。
(掛川支局・高林和徳)