静岡人インタビュー「この人」 松下真実子さん 子どもの睡眠改善に取り組む養護教諭

 御前崎市立第一小勤務。市内7小中学校の養護教諭でつくる市養護教諭研修会のメンバーで、2019年度から児童や生徒の睡眠の改善に取り組む。保護者や地域住民が参加する協議会での発表など中心的な役割を担う。42歳。

松下真実子さん
松下真実子さん

 ―きっかけは。
 「最近はスマホやゲームなど夜更かしの誘惑がとても多く、子どもの昼夜逆転が気になっている養護教諭もいた。このままではどんどん悪化するのではないかという危機感があった」
 ―まず何をしたか。
 「20年2月に小中学生計約850人を対象にアンケートを行った。その結果、小学生に必要とされる睡眠の9~10時間、中学生に必要とされる8~9時間にどの学年も達していなかった。『こんなに寝ていないんだ』というのが正直な印象だった」
 ―対策は。
 「小中学生に必要な睡眠時間を明示し、『寝る前1時間のメディア使用をやめよう』『毎日決まった時間に寝よう』と訴えた。メディアは寝付きが悪くなったり、睡眠の質が落ちたりする要因になる。生活リズムを記入するカードや家庭に持ち帰ってもらうお便り、保健室前の掲示などで繰り返し呼び掛けた。2年間の取り組みで睡眠時間は徐々に増え、『勉強がはかどる』『朝ご飯がおいしい』などの反応もあった」
 ―今後の課題は。
 「寝る前1時間のメディア使用を控えてもらうのはなかなか難しく、力を入れていきたい。睡眠に限らず、排便や口の健康など体は知ると面白いことがいっぱいある。子どもはいいことだと実感すると前向きに取り組んでくれる。楽しく学び、自分の体を大切にしたくなるような機会を提供していきたい」

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