富士山麓を実習の場に 農林専門職大、富士市などと協定

 富士市と市森林組合、県立農林環境専門職大(磐田市)はこのほど、市有林の活用に関する協定を結んだ。同大が地元以外で森林利活用の協定を結ぶのは初めてという。富士山麓を学生や教員の実習や研究活動に活用して人材育成につなげる。

協定を結んだ(右から)鈴木学長、小長井市長、渡井組合長=富士市役所
協定を結んだ(右から)鈴木学長、小長井市長、渡井組合長=富士市役所

 協定は、市が同大の市有林使用を認め、市有林を管理する市森林組合が実習などに協力する。同大は伐採や植林などの整備実習や見学、調査、資料収集などを展開する。スギ、ヒノキ以外にブナなど広葉樹林もあり、若木から成熟した樹木まで植生に恵まれた富士山麓を実習や研究の場とし、担い手確保や林業の活性化を狙う。
 市役所で開かれた締結式で鈴木滋彦学長と小長井義正市長、渡井正孝組合長が協定書を交わした。鈴木学長は「農林業を支える地域のリーダーを育てたい。全県で愛される大学を目指す」と述べ、渡井組合長は「分かることをすべて提供する」と協力を約束した。
 富士市は全面積の約49%に当たる1万2千ヘクタールが森林。市内でも林業従事者の高齢化が課題となっている。
 

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