熱中症搬送 過去10年で最多、重症者相次ぐ 6月の静岡県内

 静岡県内で6月に熱中症で救急搬送された人は計233人(速報値)に上り、過去10年で6月としては最も多かったことが1日、消防庁や県などへの取材で分かった。死者はいないものの、重症者9人も過去最多。特に、本県を含む東海地方が梅雨明けした27日以降は重症者が相次いでいて、県健康増進課は「今年は梅雨が短く、暑さに身体が慣れていない。喉が渇く前に積極的に水分補給するなど対策を徹底して」と呼びかける。

過去10年の6月の熱中症搬送状況
過去10年の6月の熱中症搬送状況
熱中症予防の主なポイント
熱中症予防の主なポイント
過去10年の6月の熱中症搬送状況
熱中症予防の主なポイント

 搬送者に占める高齢者の割合は約5割だった。観測史上2番目に早く梅雨明けの発表があった27日は、県内で高齢者3人が重症となり救急搬送された。発生時間はいずれも正午~午後1時半の日中で、農作業中や作業後に意識を失うなどの症状があった。
 消防庁の集計によると、6月13~19日の1週間で18人だった救急搬送者数は、翌週の20~26日に72人(前年同期39人増)と4倍に。27日以降の4日間は89人にさらに増えた。
 気象庁と環境省は30日、熱中症の危険性が高まっているとして、県内に今年初の「熱中症警戒アラート」を発表した。昨年は8月4日に初めて発表していて、1カ月ほど早い。県健康増進課は「暑い時間をなるべく避けて涼しい時間に活動してほしい」と話す。
 静岡地方気象台によると、県内は3日まで高気圧に覆われて気温が上昇する見通し。4日以降は台風などの影響もあり、曇りや雨になる日がある見込み。ただ、3カ月予報で7~9月は平年より気温が高くなる確率が50%となっていて、気象台は「引き続き熱中症に注意が必要」とする。

専門家「屋外ではマスク外す選択を」

 夏本番を見据え、専門家は小まめな水分補給やエアコンの適切な利用などの基本的な対策に加えて「屋外ではマスクを外す選択を」と呼びかける。
 浜松市中区の浜松医療センター救命救急センターの加藤俊哉センター長(56)は、新型コロナウイルス感染による行動規制が緩和された今年は「この2年に比べて外での活動も増え、屋外で熱中症になる人が増加する可能性がある」とみる。同センターにも屋外の作業現場でマスクを着用していて搬送されてきた例があった。「人混みがない場所ではマスクを外して」と強調する。
 高齢者の搬送が多いのは加齢による体温調節機能の低下に加え、適切な水分補給やエアコンが使用できていないのが主な要因という。「暑さを感じにくいため、発見が遅れ重症化することもある」と注意喚起する。

 

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