争点「改憲」読者の声 平和希求も「9条」賛否【参院選しずおか】

 ロシアのウクライナ侵攻などをきっかけに日本の安全保障の在り方が問われていることを受け、静岡新聞社は参院選前の5月上旬から、憲法改正への賛否について読者に意見募集してきた。意見を寄せた人のほぼ全員が日本の平和を望む一方、戦力不保持を掲げる憲法9条については「改正すべきだ」「変えるべきではない」と意見が分かれた。

 募集に対し約30件の意見が届いた。数は改憲賛成の声がやや上回ったが、賛成、反対を問わず「日本は原爆を投下された世界唯一の国」「戦争に加担してはならない」との意見が大半を占めた。
 賛成派の伊藤寿克さん(50)=磐田市=、大島宏幸さん(59)=長泉町=は「国際紛争を解決する目的で陸海空軍その他の戦力を保持しない」とする9条2項が、現行の自衛隊の存在と矛盾するとして改正を主張した。
 国民の関心の高まりを条件に挙げる声もある。福井晃さん(83)=浜松市中区=は「決して急がないことが肝要だ。改憲支持率が70%以上になってこそ、真の改憲論議が可能になる」と訴えた。
 ペンネーム常春さん(92)=吉田町=らは非核三原則の明記を主張。山下恭平さん(74)=浜松市浜北区=は「地震などの災害対応も含め、自衛隊の明記は必要」と指摘した。
 一方、反対派からは安倍晋三政権が集団的自衛権行使を一部容認し安全保障関連法を制定したことも踏まえ、外国を刺激することへの懸念が相次いだ。
 ペンネームうさちゃん(函南町)は「9条を改正した場合、ロシアや中国から攻撃を受ける危険性もある」と不安を漏らした。
 木村忠裕さん(66)=静岡市葵区=はドイツのワイマール憲法下でナチス政権が国家緊急権を行使して暴走したことを例に、緊急事態条項を新設した場合に「安全弁は働くのか」と疑問を呈した。竹内広明さん(72)=湖西市=は「今の改憲論議は国民の声に耳を傾けていない」とした。
 憲法を改正した場合、日本の平和はより堅固になるのか、あるいは紛争に巻き込まれるリスクが増すのか-。浜松空襲で投下された焼夷(しょうい)弾などを展示している浜松復興記念館(浜松市中区)の来場者にも聞いた。浜松市内から訪れたという男性(69)は「国会議員は世界平和のために日本が何をすべきか考えてほしい」と切望した。

「自衛のため武力保持」 川勝知事、18年に私案

 憲法改正について、川勝平太知事は2018年1月の年頭記者会見で自身の改憲私案を説明し、自衛隊の明記に近い内容を示している。「国民と国土の平和と安全の維持に必要な自衛措置を取りうる」とし、そのために「必要最小限の武力を保持する」とした。
 第二章は「富士山」と題し、9条で国土統合の象徴と位置付けた。現行9条の内容を第三章「戦争の放棄」の第10条に移し、国際紛争を解決する目的では「陸海空軍その他の戦力を用いない。戦争を永久に放棄する」とうたった。


 

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