深夜にダンプ「眠れず」 憤る住民 富士の無許可盛り土摘発

 富士市大淵の残土処分場に無許可で土砂を埋め立てたとして、29日に同市土砂埋め立て等規制条例違反の疑いで山梨県の男と女が逮捕された事件。処分場の周辺では、少なくとも4年ほど前から大量の土砂を積んだダンプカーが深夜に往来する姿が目撃され、近隣住民は騒音に悩まされてきた。

 「うるさくて眠れなかった」。埋め立て現場から数百メートル離れた場所で暮らす女性は2018年春から、午前1時ごろに始まって明け方まで作業するダンプカーや重機のごう音に「深夜に何か悪いことをしているのではないかと不安だった」と話した。
 現場は国道469号からのアクセスも良い富士山麓で、山林に囲まれた場所にある。盛り土の隣接地には家屋はないが、近くに集落がある。
 森林だった場所には数年で、周辺の景観とは明らかに異質な高さ数メートルの土砂の山が築かれた。県警によると、一部で既に崩落が起きていて、大雨などで崩れる危険があるという。盛り土の隣の土地を所有する女性によると、21年ごろには大雨で黒く濁った雨水が女性の土地に流れ込むこともあった。町内会や市を通じて、逮捕された残土処分業の男に苦情を入れたが、改善されることはなかった。逮捕を知った近隣の女性は「土がもう来ないなら安心。でも崩れないよう対策されるか心配」と話した。
 富士市土地埋立対策室によると、土砂の搬入は2018年7月に住民の通報で発覚し、市は8月に中止命令と原状回復命令を発出。11月には氏名を公表した。一時的に搬入が中止された時期はあったが、22年2月には再び搬入が確認された。

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