記者コラム「清流」 “伊豆の音”で節電を

 そよ風にチリンチリンと美しい音色が響いた。三島市の日光陶器店で「みしま風鈴」作りが最盛期を迎え、出来たてのガラス風鈴が店先につるされている。
 店主の関根久雄さんは連日午前4時ごろから、約1300度の炉でガラスを溶かす作業に汗を流す。涼とは対照的な空間で生み出された風鈴には、冷たい清流を思わせる気泡が浮かんでいた。狩野川で採れた砂鉄や富士山の火山灰、伊豆地域の稲やテングサを燃やした灰をガラスに含ませることで、緑がかった色味や伸びやかな音、動きのある気泡を表現。伊豆ならではの風鈴を追求しているという。
 暑い夏はもう本番。国際情勢の影響で電気代も心配だ。今年は涼やかな“伊豆の音”を楽しみながら、節電を意識したい。
 

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